事故のリスク増大! 冬が終わってもスタッドレスを履き続けてはいけないワケ (1/2ページ)

ウェットではとくに運動性能の差が広がる

 3月になり、そろそろ桜の開花が気になる頃。冬の間履いていたスタッドレスタイヤもそろそろ夏タイヤへの履き替えの季節。

 気象庁のホームページから、「過去の気象データ検索」→「都府県・地方を選択」→「霜・雪・結氷の初終日と初冠雪日の平年値を表示」をクリックし、ここで自分の生活圏の「霜・雪・結氷の終日」の平年値を確認して、タイヤ交換の予定を組むといいだろう。

 しかし、なかにはズボラな人もいて、春になっても夏タイヤに履き替えず、スタッドレスタイヤを通年使用する人が少なからずいる。これははっきり言ってやめて欲しい。

 理由は、ドライのアスファルト路面では、夏タイヤに比べ、走る・止まる・曲がるという運動性能が著しく劣るため。

 JAFが行なったユーザーテストを見てみよう。夏タイヤ(5部山)とスタッドレスタイヤ(5部山=プラットホーム出現)の直線ブレーキテスト。

・ドライ 時速60kmからの平均制動距離
夏タイヤ 16.3m スタッドレスタイヤ 18.8m(その差 1.15倍)

・ドライ 時速100kmからの平均制動距離
夏タイヤ 44.1m スタッドレスタイヤ 51.1m(その差 1.16倍)

・ウエット 時速60kmからの平均制動距離
夏タイヤ 16.7m スタッドレスタイヤ 20.3m(その差 1.26倍)

・ウエット 時速100kmからの平均制動距離
夏タイヤ 50.8m スタッドレスタイヤ 72.2m(その差 1.42倍!!!)

 これを見ればわかるとおり、スタッドレスタイヤはドライ、ウエットどちらの路面において制動距離が伸びていて、とくにウエットになると大きく差が広がってくる。

 スタッドレスタイヤは、アイスバーンや雪道に強いので、「濡れた路面でも滑らない」というイメージがあるかもしれないが、それは寒い冬場の話。

 氷点下の氷雪路を想定して設計された柔らかいトレッドゴムは、路面の水膜を押しのける力が弱く、夏タイヤに比べてウエットグリップが低くて苦手だということを知っておいて欲しい。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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