教習所で教わる「キープレフト」に潜むリスク! そもそもの根拠から考える (1/2ページ)

1964年ごろから推奨されるようになった

 教習所に通っていたころ、教官から「キープレフト」という教えを何遍耳にしただろうか? 実際に免許を取って、街を走り出すと、「キープレフト」を守っているドライバーはほとんどなく、たまに見かけると「そんなに路肩に寄らない方がいいですよ」と内心でお節介なことを言いたくなるほどだ。

 そもそもなんで「キープレフト」、つまり車線の左寄りを通行することが奨励されるようになったのか。

 これは道路の中央付近のスペースを広くとることで、対向車との接触を防ぎ、追越しや右折等がスムースに行われるのが狙いで、ちょうど前回の東京オリンピック、1964年ごろから盛んに奨励されるようになったもの。

 道路交通法には「左側寄り通行等」として

「車両(トロリーバスを除く)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあっては道路の左側に寄って、軽車両にあっては道路の左側端に寄って、それぞれ当該道路を通行しなければならない」(第18条)とあるのがその根拠。

 この「車両通行帯の設けられた道路」というのは、簡単にいうと「片側二車線以上の道路」のことで、「キープレフト」が必要な「車両通行帯のない道路」というのは、センターラインのある片側一車線 の道路や、センターラインのない道路、そして境界線のない一方通行道路が相当する。

 しかし、よくよく考えると「キープレフト」を守ったほうが、むしろ安全上のリスクは高くなる。

1)出会い頭の衝突のリスク

 まず出会い頭の衝突が増える可能性がある。上記のように「車両通行帯のない道路」は道幅の狭い道が多い。こうした道で対向車もいないのに左端を走ると、左側の側道や駐車場から出てくる車両や歩行者と接触する可能性が増える。脇からきたクルマが少しノーズを出したとしても、余裕を持って対処できるよう、あまり左端には寄らない方が得策だ。

2)異物を踏むリスク

 道路の表面は、排水のことを考え、かまぼこ状になっている。そのため道路に落とされた異物やゴミなどは、道路の両脇に溜まりやすい。そうした異物をタイヤで踏んでしまうと、パンクの原因になったりするので、道路の端に近づくのはあまりおすすめできない。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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