同業者も絶賛! 国内の現役トップレーシングドライバーが語る「ルイス・ハミルトン」の強さの秘密

レーシングドライバーから見てもハミルトンは抜け出した逸材だった

 2020年のF1グランプリにおいて、自身7度目のタイトルを獲得したほか、第12戦のポルトガルGPでは92勝目を獲得したことで、これまでミハエル・シューマッハが保持していた最多勝利数を更新するなど、数々の記録を打ち立てているルイス・ハミルトン。まさに現在のレースシーンを代表するレジェンドになりつつあるのだが、ハミルトンの強さはどこにあるのか?

 ここではスーパー・フォーミュラおよびスーパーGTのGT500クラスなど国内トップシリーズで活躍するドライバーに直撃。同じレーシングドライバーとしてハミルトンの“武器”を分析してもらった。

 まず「ミスが極端に少ないですね。それに、クルマのポテンシャルを100%出せるドライバーは少ないんですけど、ハミルトンはそれを毎レース続けているところがすごいと思います。チームメイトの(バルテリ)ボッタスも速いし、スピードは負けてないけれど、その部分の差が大きいと思います」と語るのが、スーパー・フォーミュラおよびスーパーGTで活躍する大湯都史樹だ。

 さらに「毎回、チームメイトのボッタスよりも速いし、高い次元で安定している。それにレースではミスをしていない。1回だけ速いことはできると思うけれど、それを常にやっているのですごい」と同じくスーパーフォーミュラとスーパーGTで活躍する平川亮は分析。

 また同じくスーパーフォーミュラとスーパーGTで活躍する坪井翔選手も「レーシングカートをやっているときからハミルトンは憧れの選手だったので思い入れもありますが、常にハミルトンはチームメイトに勝っていますよね。チームが強いので勝つことが当たり前の状況に見られていると思うんですけど、そのなかで勝つことは難しいなか、ハミルトンは勝ち続けている。それはやっぱりメンタルが圧倒的に強いからだと思います。ハミルトンとボッタスはドライビングテクニックで大きな差はなないと思いますので、そのハートの強さがふたりの違いだと思います」と分析している。

 そのほか、スーパーGTで活躍する笹原右京は「もともとクルマを速く走らせる能力に長けたドライバーではあるんですが、なかでもハミルトンはコンディション変化への対応能力が圧倒的に高いと思います。とくに雨だったり、ちょっと路面が濡れているときは際立ったものがある」と分析。さらに笹原は「チーム力もあるけれど、チームを巻き込んで自分のものにしているところがすごい。速いだけではなく、強さもあるけれど、それはレースを俯瞰して状況を理解している証拠。それに何をどうやったら勝てるのかを日頃から準備しているところもすごいですね」と付け加える。

 やはり、同じレーシングドライバーから見てもハミルトンは抜け出した逸材で、それゆえに数々の記録を打ち出しているのである。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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