「パッド」の交換だけじゃ足りなかった! 手遅れになる前に行うべき「ブレーキのオーバーホール」とは (1/2ページ)

異音がするようになってからでは遅い!

 今やクルマはメンテナンスフリー化が進んで、冷却水を含んだ油脂類、バッテリー、フィルターを交換していれば、トラブルなく利用できる。しかし、10年10万kmぐらいで、大掛かりなメンテが必要になることは多い。10年10万kmというと、その昔はクルマの寿命とされていたが、今やその程度では問題ない。

 ただ、それ以上乗るにはさすがにメンテナンスフリーとはいかず、車検時などのキリがいいところでいわゆる初期化が必要だ。たとえばタイミングベルトがいい例で、ショックアブソーバーやエンジンマウントも同様だろう。

 そのなかで盲点なのが、ブレーキのオーバーホールだ。ブレーキのオーバーホールというと、なにをするのかピンとこないし、そもそも必要があるのか自体が疑問だ。プロに聞いて「費用を抑えたいお客さんが多く、すすめてもとりあえず利いているから大丈夫。やらなくて問題あるのか?」と言われることも多いという。

 実際は乗り方にもよるが、それまでのメンテがよくないと、内部がサビている可能性が高まる。制動力を発生させる油圧を伝えるために使われているブレーキフルードは吸湿性が高くて、放置していれば水分を取り込んでしまい、結果としてそれがサビを呼ぶ。各輪に付けられているキャリパーやドラムブレーキのホイールシリンダー内部にはピストンが入っていて、それが固着することもあるし、外側のパッドやシューの動きも悪いことが考えられる。

「利いているから大丈夫」というユーザーは「当然と言っては失礼だが、普段からメンテはしていなくて、ブレーキパッドがなくなってキーキー言うようになって初めてなんかおかしいと持ってくる」程度なので、内部の状態がいいわけはない。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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