【試乗】実用性だけじゃない! プジョー・リフターGTは悪路もOKなマルチパフォーマンスMPV (1/2ページ)

ただのミニバンのように見えるが本格的な走破性を兼ね備える

 プジョーのMPV「リフター」をご存知だろうか。2020年11月にカタログモデルの発売が始まったばかりのモデルで、1.5L 4気筒ディーゼルターボエンジン(最高出力130馬力/最大トルク300Nm))と8速ATからなるパワートレインは、シトロエンの人気モデル「ベルランゴ」と共通といえる姉妹車だ。

 リヤドアがスライドドアのためフレンチミニバンと呼ばれることもあるが、シートレイアウトは2列仕様の5名乗車。後席は3席がそれぞれ独立しているのは国産スライドドアモデルにはない特長だ。

 ボディサイズは全長4405mm×全幅1850mm×全高1880mm。かなりワイドなボディだけあってスペースの余裕もかなりのもので、ラゲッジスペースは後席使用時でも597Lと非常に広大。後席を格納するとフラットで使いやすいラゲッジが生まれるが、その容量は最大2126Lというから全長4.4mのモデルとして考えると驚異的だ。

 ガラスハッチが独立して開き、ラゲッジスペースのルーフから吊り下げられたシーリングボックスへのアクセスが容易なのもポイント。さらに、2021年3月に追加された上級グレード「GT」にはマルチパノラミックルーフが標準装備され、その中央部には半透明のルーフストレージ(吊り棚)が設けられている。こうしたユニークなユーティリティ性能もベルランゴと共通だ。

 しかし、リフターはベルランゴと顔が違うだけのモデルではない。インテリアではダッシュボードが専用品でプジョーの特徴である「i-Cockpit」となっているし、なによりシャシーのセッティングが異なる。というのもリフターにはMPVとSUVのクロスオーバーという独自のコンセプトが与えられ、最低地上高は180mmとベルランゴ比で20mmも高められているのだ。

 今回試乗したGTグレードには、215/60R17サイズのタイヤが与えられ、オフロードでのトラクション性能を向上させる「アドバンスドグリップコントロール(5モード)」やヒルディセントコントロールも備わっているという具合。車高を上げただけではなく、きちんとSUVとして仕上げられている。

 北軽井沢・あさま空山望で開催された試乗会には、ウッドチップを敷き詰めたスリッピーな特設オフロードコースが用意されていた。なかなか走る機会が少ないオフロードで、クロスオーバーMPVであるリフターはどのような走りを披露してくれるのだろうか。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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