レースは多くて年に「数十戦」しかない! レーシングドライバーって「レース以外」は何してる?

プロドライバーの業務は多岐に渡る

 自動車メーカーやチーム、サプライヤーと契約し、スーパーGTやスーパーフォーミュラ、スーパー耐久に参戦するプロのレーシングドライバーたち。彼らの仕事は競技モデルでのレース参戦に加えて、事前テストでは、マシンおよびパーツ開発、セッティングの最適化をはかるべくフィードバックを行うなど、文字どおり、ドライバーとして競技用マシンを走らせることにあるが、それ以外にも彼らプロドライバーの業務は多岐に渡っている。

 具体的にはイベント時にデモ走行や同乗走行のドライバーとしてマシンのステアリングを握るほか、ゲストとしてトークショーに参加。近年は新型コロナウイルスの影響により、レース会場はもちろんのこと、イベントでもファンと触れ合う機会は減っているものの、通常はサインに応じたり、記念撮影に応じるなど、ファンサービスに対応することもプロドライバーの大切な業務と言えるだろう。

 さらに各レースで好成績を収めるようになってくれば、新聞や雑誌、テレビなどの取材に対応することもプロドライバーの重要な業務のひとつとなっている。

 そのほか、レーシングスクールではインストラクターとして、ドライビングのレッスンに当たることもプロドライバーの仕事だ。

 もちろん、レーシングドライバーはアスリートであることから、フィジカルトレーニングやメンタルトレーニングも業務のひとつといっていい。多くのドライバーが、チームが提携するトレーニングジム、あるいは個人で契約するトレーナーの管理のもとフィジカルトレーニングを実施。さらに近年は新型コロナウイルスの感染防止の一環として、晩年の体調管理を行うこともドライバーの仕事と言えるだろう。

 そのほか、パーソナルスポンサーへの報告書の作成やチームやメーカーのミーティングへの参加もレーシングドライバーにとっては重要な業務と言っていい。さらに、会社所属のドライバー以外は、自身が管理する法人、ある個人事業主として活動しているケースが多いことから日常の経理もドライバーの業務だ。

 このようにレーシングドライバーの業務は多岐にわたるが、スーパーフォーミュラやスーパーGT、さらにスーパー耐久に掛け持ちで参戦するドライバーの多くは、サーキットで過ごす時間が多く、シーズン中は自宅で過ごせる時間は少ないだけに、まさにレーシングドライバーはハードな職業となっている。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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