後続車をイラつかせる原因! 「重要」で「難しい」右左折時「ウインカー」のタイミングとは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ウインカーを出すタイミングは道路交通法で定められている

■後続車がいる際の右左折では早めにウインカーを出すと円滑な交通が実現できる

■後続車はウインカーが遅いクルマがいることも理解していると安全に走行できる

方向指示器は30m手前・3秒前に出すのがルール!

 世の中にはウインカー(方向指示器)を出すことを頑なに拒んでいるかのような運転をするドライバーもいるが、道路交通法では右左折時には交差点の30m手前、車線変更の場合は3秒前にウインカーを点滅させるなりして後方車両に合図を出すことが決まっている。

 このルールを厳密に守るとすると、ブレーキとウインカーを出すタイミングは走行速度によって変わってくる。

 たとえば60km/hで走行していて、その先にある交差点を徐行で左折しようとすると、フルブレーキングでも減速に必要な制動距離は40m程度となるし、まして日常で使うようなやさしいブレーキングであれば60m以上手前からブレーキをかけることになる。

 ちなみに、30km/h程度で走っていたとすると、フルブレーキングでの停止距離は15m程度と考えられるので、おそくとも交差点の30m手前あたりでブレーキをかけはじめるだろう。つまり、ブレーキをかけると同時にウインカーを出す必要があるわけだ。

 というわけで、ブレーキを踏んでからウインカーを出すというのは道路交通法から解釈する操作としては正解だ。しかし、それが円滑なドライビングにつながるかといえば疑問もある。なぜなら、後方を走るクルマのドライバーは先行するクルマがどのように走りたいのかは、わからないからだ。

 60km/hで流れている道路で、青信号の交差点が近づいてきたときに突然前のクルマがブレーキをかけると「前方になにか障害物があるのか」と思わせ、驚かせてしまうこともあるだろう。そうであれば、どんな速度からであってもブレーキと同じタイミングでウインカーを出すことで「交差点を曲がるので減速しますよ」という意思を伝えてあげたほうが親切といえる。

 もっとも安全な速度に落とすことは、ウインカーを出すという行為よりも重要だ。ウインカーを出すことに気を取られてはブレーキが遅れてしまっては意味がないことは肝に銘じておきたい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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