クルマの「イケメン」は時代と共に変わる! 「その時」愛されたイケメンカーの歴史 (1/3ページ)

時代のトレンドがクルマには色濃く反映されている?

筆者が物心ついた1970年代には「イケメン」という日本語はまだなかったが、当時の(今で言う)イケメンは皆、眉毛が濃かったような記憶がある。初代仮面ライダーで主役を張った藤岡 弘、『また逢う日まで』でレコ大を獲った尾崎紀世彦などだ。その後、気づいたら男たちの眉毛は薄めとなり、ロン毛で波乗りを楽しんでいるニュアンスの男たち――若き日の木村拓哉や反町隆史などが「イケメン」と言われる時代になった。

現在は……あまりよく知らないのだが、細身で色白の中性的なタイプ(でもじつは細マッチョ)が、たぶん「イケメン」とされているのだろう。人間界におけるイケメンの基準がこのように変化してきたのと同様に、自動車界のイケメン基準もまた、時代時代に応じて変化してきた。

1990年代におけるイケメンCARの顔立ちは、総じて「バタ臭い感じ」だったと言えるはずだ。といっても、お若い読者各位には「バタ臭い」という単語の意味がわからないかもしれない。

ええとですね、バタ臭いというのは「ソース顔」のことです……などと1988年の流行語大賞・大衆賞を受賞した言葉を出したら、よりいっそう混乱するかも。えっと、バタ臭いというのは要するに「彫りが深い西洋人っぽい」ということです。「バターくさい」ということですね。

で、1990年代に人気を博し、人々から「なんかカッコいいじゃん!」と称賛されたクルマは、

ホンダ アコードワゴン(通称US和コードワゴン。1991年4月発売)

日産 ステージア(1996年10月発売)

三菱 ギャラン(1996年8月発売)

といったあたりだったろうか。

日産ステージアは尾崎紀世彦のようなこってりバター顔で、8代目の三菱ギャランもまあまあこってり。1991年のUSアコードは比較的さっぱり味だが、「北米開発、北米生産」という文字どおりのバター文化と風味に対し、当時の人々は憧れを抱いたのだ。今となっては、北米生産といわれても「……だからなに?」で終わってしまいそうだが。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
趣味
絵画制作
好きな有名人
町田 康

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