名前は残っても中身は……日産異例のコメント「スカイラインを諦めません」に日本のファンが安心できないワケ (1/2ページ)

「スカイライン」という名前だけが残る可能性も!

 日産の伝統的モデル「スカイライン」が揺れている。日本経済新聞が「次期スカイラインの開発中止」を報じると、それを受けて日産の星野朝子副社長はノートオーラの発表会において「日産はスカイラインを諦めません」と応じるなど、注目を集めている。

 そもそも、スカイラインというのは1957年に誕生している。現在の日産車のなかではもっとも歴史あるモデルである。しかしながら日本専売モデルであるのも事実で、スカイラインのブランド価値は日本ローカルでの話だ。

 実際、現在のスカイラインも海外では日産のプレミアムブランド「インフィニティ」のラインアップとして「Q50」という名前で売られている。日本でインフィニティ・ブランドを展開していないため、日本独自の名前を与える必要があり、そこでスカイラインという名前が選ばれたに過ぎないともいえる。そもそもスカイライン単独しての車両開発などはされておらず、インフィニティモデルの日本ローカライズがスカイラインの開発といえるのが実情といえる。

 そうした背景を考えると、日産の星野副社長が「スカイラインを諦めません」と発言したことは、今後もなんらかのインフィニティモデルを日本で売る際に、スカイラインという車名を利用する可能性があるという話と理解するのが妥当だ。そうであれば、次期スカイラインが4ドアセダンであるとは限らない。SUVになる可能性も否定できないのだ。

 実際、日本市場ではFRセダンというカテゴリーは年々縮小している。同カテゴリーのシンボルといえるトヨタ・クラウンであっても2020年度の販売台数は2万1858台に過ぎない。2016年度の販売台数が3万6483台だったことを思えば、このカテゴリーに新車を出すというのは経営判断として難しいことは容易に想像できるのだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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