「ここまでやるか」とレーシングドライバーが唖然! 昭和&平成に登場した「本物すぎる」軽自動車とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■かつて軽自動車にはスポーティな走りを持つモデルや、本格オフローダーが存在した

■そこで、レーシングドライバーが感銘を受けたをピックアップ

■スズキ・フロンテクーペ、三菱パジェロミニの2台について紹介する

令和では実現不可能!? 振り切っていた昭和の軽自動車

 1970年代。まだ軽自動車が360〜550ccであった時代、とんでもないスポーツモデルが多く存在していた。その代表格はスズキ・フロンテクーペだ。

 1971年にスズキが誕生させたフロンテクーペはイタリアのジウジアーロが手がけたというスポーティな車体デザインが採用され、水冷2ストローク直列3気筒というオートバイのようなパワーユニットを車体後部に搭載。後輪を駆動するRRレイアウトを採用していた。

 まるでゴーカートに乗り込むかのような低い車体は重心が低く、フロントにダブルウイッシュボーン、リヤにはセミトレーリングアームの4輪独立サスペンションを採用してコーナリング性能が圧倒的に高かった。

 当時高校卒業して間もない頃、同級生が購入したフロンテクーペに同乗させてもらった。彼はアウトインアウトやスローインファストアウトなどコーナリングのイロハも知らないレベル。そんな彼が交差点にえらい勢いで進入。レーシングカートで走っていた僕は普通車では曲がれない無謀な速度だと直感し身構えた。しかし、彼がハンドルをグイっと操作するとフロンテクーペは若干リヤを跳ねながらも曲がれてしまうのだった。

 後で試させてもらったが、地をはうようなフロンテクーペのコーナリングはまさにレーシングカート感覚。その高性能に驚かされた。そしてフロンテクーペのパワーユニットはフォーミュラカーに搭載されFL-B(フォーミュラリブレ)クラスとしても活躍。僕も参戦し好成績を収めたものだ。

 同時期のライバルとしてホンダZ、三菱ミニカスキッパーなどもスタイリングにスポーティムードが溢れ、胸躍らされた。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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