経済格差が拡大! 庶民にはコロナ不況でも「高級車ブランド」が好調という日本の現状 (1/2ページ)

プレミアムブランドであるドイツ御三家は数字を伸ばす!

 新型コロナウイルスの影響で経済的に厳しい状況に追い込まれているというのが庶民感覚だが、数字は異なる事実を示している。

 たとえば、日本銀行が毎月発表しているマネーストック(現金通貨や預金通貨など通貨量の残高)は、過去最高を更新しつづけている。ちなみに2021年6月のマネーストックは、M3という指標において、前年同月比5.2%増となる1518兆8000億円と過去最高だった。同じ指標での前月のマネーストックが1514兆9000億円だから、およそ4兆円がひと月で増えたことになる。

 マネーストックという言葉の響きからすると預金が増えているというイメージを受けるかもしれないが、この言葉は融資を含めて金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量のことだ。マネーストックが増えているということは、一般論でいうと景気が良いことを示している。コロナ禍においてお金の工面に苦心しているという庶民感覚とは異なり、数字は市場にお金がジャブジャブと余っている状況となっていることを示している。

 よく言われるように格差拡大が進んでいると捉えることができる。クルマ好きにとっては高価格帯のクルマがよく売れているイメージがあって、それによって格差の広がりを実感している人も多いのではないだろうか。

 実際、富裕層が求める高価格帯の輸入車の販売は好調だ。お金持ちの愛車といってパッと浮かぶメルセデス・ベンツの2021年6月の新車販売台数は6060台と前年同月比で131.5%と伸びている。2021年上半期でいっても2万7546台で前年同期比110.3%と好調だ。

 同じことはドイツ御三家といわれるBMWにもいえる。同じく2021年6月の新車販売台数は4331台で前年同月比134.5%、2021年上半期は1万9074台で前年同期比120.6%だ。

 さらに高価格帯のモデルが売れているという事実は、フォルクスワーゲンとアウディの販売実績を比べると実感できる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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