一番左の走行車線とは何が違う? わざわざ「登坂車線」が設けられるワケ (1/2ページ)

急勾配で速度が維持できないクルマが利用

 今年は新型コロナの影響でそれほど話題にならないが、毎年お盆の時期には各地の高速道路で10kmを越えるような長い渋滞が発生する。

 この高速道路の渋滞の約64%は交通集中による自然渋滞で、その約58%が上り坂及びサグ部で起きている。

 つまり上り坂こそ渋滞の最大の要因で、それを少しでも緩和するために考えられたのが、走行車線の左に追加された「登坂車線」(読み方は「とうはんしゃせん」)。

 大型トラックやトレーラーなど急勾配で速度が維持できないクルマが、この登坂車線に移ってくれれば、後続車の妨げにならず、渋滞を防ぐ効果がある。

 その目的は、「上り勾配の道路において速度の著しく低下する車両を他の車両から分離して通行させることを目的とする車線をいう」と「道路構造令」という政令に明記されている。

 登坂車線を設けるかどうかの基準も、法律で定められていて、「普通道路の縦断勾配が五パーセント(高速自動車国道及び高速自動車国道以外の普通道路で設計速度が一時間につき百キロメートル以上であるものにあっては、三パーセント)を超える車道には、必要に応じ、登坂車線を設けるものとする。登坂車線の幅員は、三メートルとするものとする」(道路構造令第21条)とある。

 縦断勾配が5%の坂とは、100mの水平移動に対して5mの高さを上る勾配のこと。同じく縦断勾配が3%は、100mの水平移動に対して3mの高さを上る勾配になる。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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