EVでは寿命でも「第2の人生」が待っている! だからEVはエコだといえる「バッテリー」の行方とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■EVの駆動用バッテリーはクルマとしての用途を終えた後も定置型蓄電池として利用可能

■初代リーフのバッテリーはさまざまな用途で二次利用されている

■ライフサイクルで考えた場合、積み替えた再利用バッテリーのCO2排出量はゼロになる

EVのリチウムイオンバッテリーは再利用が可能だ

 エンジン車を使い終わったら素材へ戻すリサイクルをすることになるが、電気自動車(EV)は素材へ戻す前にもうひと働きできる。EVで使われる駆動用モーターは半永久的であり、車載のリチウムイオンバッテリーは、クルマとしての用途を終えた後もまだ6~7割の容量を残す。そこで定置型の蓄電池として利用する道がある。

 ではなぜEVで使わなくなったリチウムイオンバッテリーにまだ6~7割の容量が残るのか。

 スマートフォンや家庭電化製品などの利用でわかるように、一般的に電池はある一定の消費電力で利用される。このため、定格出力と呼ばれる仕様諸元がある。定格出力とは、ほぼ一定の条件で安定して出せる電力をいう。

 一方、クルマの場合はエンジン車であろうがEVであろうが加減速を頻繁に行い、高速道路への合流などではさらに強い加速を求められ、使う出力の変化が大きい。そうした瞬発力を発揮できるのは、バッテリー容量に余力がないとできないのである。

 加速が悪くなってきたところでEV用としてのバッテリー寿命が来るため、定置型のように定格出力が得られれば使える広く一般的な電気の利用に対しては、まだ6~7割の余力が残っているということなのだ。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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