前年比で80%まで回復も「納期遅延」は解消せず! まだまだ続く新車販売の混迷 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■登録車、軽自動車の2021年11月単月の販売台数統計が発表された

■いずれも前年比で80%強となっている

■しかしサプライチェーンの混乱が解消したというわけではない

納期遅延が深刻なクルマは絞られてきている

 11月1日に、自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車それぞれの、2021年11月単月の販売台数統計が発表された。登録車総販売台数は21万9276台(前年比86.6%)、軽四輪車総販売台数は13万3179台(前年比84%)となった。いずれも前年比で80%強となり、昨今の世界的なサプライチェーンの混乱による、生産遅延と、それによる納期遅延の影響は落ち着きを見せ始めているようにも見える。

 新型コロナウイルスの影響を受けず、そして2019年10月は消費税率10%がスタートした月で、2019年11月も販売台数を落としているので、2018年11月の販売台数と比較すると、登録車が78%、軽四輪車総台数では82%となっている。事業年度締めでの上半期末決算期でかなり無理をして車両生産したとされる2021年9月比では登録車が106%、軽四輪車総台数では117%となっているので、確かに統計上は改善傾向にあるともいえよう。販売現場では、「11月、そして12月の予定を聞いていると、確かに9月や10月に比べると新車が工場からより多く届くようになりました」という話も聞いている。

 ただし、これは“サプライチェーンの混乱が解消した”というわけではないようだ。事情通によれば、「相変わらず一部の部品の品薄状況は続いているようです。半導体に関して自動車本体で使用するものに関しては、ほかの製品用のものよりは供給体制の混乱はないようですが、そのほかの部品では供給が依然として滞り傾向にあるようです」とは事情通。

 しかし、同時に事情通は「深刻な納期遅延となっている車両は絞り込まれつつある」としている。たとえば、11月1日に改良を実施したトヨタ・ライズでは、ガソリン車でZグレード以外ではHEVでも、2カ月ほどで納車が可能となっているようである。Zグレードでも2021事業年度内には納車可能な状況となっている。“納期1年”と言われていたカローラ クロスでも、納期が長めなHEVでも、2022年6月あたりに納車予定となっているとのことである。サプライチェーンの問題が起こる前から、納期半年といわれていたヤリス クロスでも、納期の長いHEVでさえ2022年夏ごろには納車となりそうだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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