新型ノア&ヴォクシーと新型ステップワゴンは「現時点」でドッチが買い? ミニバンマイスターがズバリ判断した! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2022年はミニバンの豊作年となる予定

■新型ステップワゴンと新型ノア&ヴォクシーを比較

■スペック上ではノア&ヴォクシーが現状では有利と言えそうだ

激戦区のMサイズミニバン市場を制するのはどのモデルか?

 今年はミニバンの超豊作年、そしてMクラスボックス型ミニバン3車のライバルが激戦を交わすことになる1年だ。まず、2022年1月に4代目となった新型ノア&ヴォクシーが登場。対するシンプル化を推し進めた新型ステップワゴンも1月に新型ヴォクシー&ノアの発売をけん制するようにYouTubeでその一部を発表、春の発売を待つばかり。そして年内にはセレナもフルモデルチェンジされるというウワサである。

 ここでは、すでに発売されているノア&ヴォクシーと、間もなく発売される、まだ情報は一部でしかないものの、ガチライバルとなるステップワゴンを、まずは知る限りの情報をもとに比較してみたい。

 その前に、新型の進化の度合いを確認するためにも、先代の両車の優劣を独断で振り返りたい。どちらもハイブリッドとガソリン車を用意しているが、ノア&ヴォクシーは先進運転支援機能=トヨタセーフティセンス(C)が劣っていた。基本性能はともかく、今では軽自動車にも装備されるACC(アダプティブクルーズコントロール)が用意されず、それがあるステップワゴンにリードされていたのである。長距離運転、ロングドライブの機会が多いユーザーなら、ステップワゴン優位と感じてもおかしくないところである(ステップワゴンのACCの作動はイマイチではあったが、ないよりいい!?)。

※画像は先代モデル

 実用面では両車それぞれに優劣があった。ステップワゴンの2列目キャプテンシートはロングスライドができても、左右のスライドはできない。先代ノア&ヴォクシー、現行セレナはそれができて、より贅沢でリラックス感あるキャプテンシートを選んだとしても(セレナはひとつのシート形態で両方を兼ねる)、横スライド機構によってセミベンチシート化することができ、とくに子育て世代のおむつ替えなどに便利だったのである。この点ではノア&ヴォクシーがリードである。

※画像は先代モデル

 そして、ボックス型ミニバンの大きなウィークポイントと言える、バックドアの開閉操作だ。このMクラスボックス型ミニバンでは、ノア&ヴォクシーだけが、手動で大きく開くのみ。車体後方に1m程度のスペースがないと全開できず、自宅駐車場を含め、駐車環境によって不便だったことは否めない。セレナはそれを、リヤウインドウだけ開けられるデュアルバックドアで解決。

 ステップワゴンは横開きの玄関ドアのような第五のドア、わくわくゲートのサブドアによって、車体後方にスペースのない場所での荷物の出し入れを容易にし、また人やペットの乗降まで可能にしたのだから、ラゲッジルームの使い勝手、実用性、アイディアとしてはステップワゴンがベストと言って良かったのだ(ただし、左右非対称デザインで、後方視界に縦線が入ったことが不人気の理由にもなった)。

 が、新型ノア&ヴォクシーはトヨタ最新のトヨタセーフティセンスを全グレードに標準装備。衝突軽減ブレーキの性能向上はもちろんのこと、レーダークルーズコントロールと呼ばれるACCをついに全グレードに標準装備。全車速域、渋滞対応型となり、渋滞時に停止後、約3分以内であれば自動発進してくれる高機能まで持ち合わせているのだ。さらに、レーダークルーズコントロールの作動なしでも機能し、カーブ手前減速支援を行ってくれる、レクサスNXで世界初採用となったプロアクティブドライビングアシストまで、全グレードに標準装備されるのだから贅沢すぎる。

 全グレードにオプションとはなるものの、高度運転支援システムのアドバンストドライブ(渋滞時支援)も用意。これは高速道路、自動車専用道路の同一車線内で、レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストが作動している0-40km/hの速度域=渋滞時で、なんとハンズオフドライブを可能にしてくれる機能(MIRAIと違い、渋滞時のみに対応することでコストダウンがはかられ搭載が可能になった)。これだけでも、ライバル驚愕!! と言っても過言ではないはずだ。つまり、運転支援機能が一気に最先端になったということである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報