「姿を隠すため」とは限らない! イマドキの新型車の「偽装ラッピング」の目的とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■発売前の新型車が幾何学模様のラッピングで走行することがある

■かつてはデザインがばれないようにテストをするためだった

■現在は別の意味で偽装することも多い

怪しさを演出して発売前の話題作りにすることも

 発売前の車両が、唐草模様などのラッピングを施して、公道でテスト走行することがある。開発者によると「乗り心地やロードノイズ(路面の上をタイヤが転がる時に発する騒音)など、テストコースではわからないこともある」とのことで、自動車臨時運行許可番号標(仮ナンバー)を装着して、公道を走る。

 このときに行われるのが外観の偽装だ。発売前の新型車だから、外観のデザインをわからなくする。最近はラッピングを利用した偽装も増えた。ラッピングはボディにフィルムを貼るもので、通常は個性的なボディカラーに仕上げたり、イラストを描く時に使う。これが偽装にも利用され、唐草模様などの複雑なパターンが多い。目の錯覚を利用して、本来のボディスタイルがわからないように誤魔化すわけだ。

 ラッピングによる偽装は、錯覚を誘発することが目的だから相当に目立つ。N-ONE、N-BOX、CX-5のように、フルモデルチェンジを行っても外観の変化が小さな車種は、ラッピングによる偽装などをしないほうがむしろ目立たない。

 つまりラッピングによる偽装には、発売前に話題性を盛り上げるティザーキャンペーンの役割もある。今はSNSも普及しているから「怪しいクルマ発見!これは次期○○か?」などと拡散してもらえれば、発売前の関心も高まる。要は一石二鳥だ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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