値段の高いヤリスクロスが安いヤリスよりも安く乗れる! いまクルマ選びは残価設定ローンによる逆転現象が最注目だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマの購入方法には現金購入とローンがある

■ローンにも複数の種類があるが、「残価設定ローン」の利用者が増えている

■残価設定ローンが普及した理由について解説する

いまローンを使う人の大半が残価設定を選んでいる

 クルマの購入方法には、車両価格などを一括して支払う現金購入と、分割返済するローンがある。ローンにも複数の種類があり、「残価設定ローン」の利用者が増えた。

 残価設定ローンとは、契約時に数年後の残価(残存価値)を設定して、残価を除いた金額を分割返済するものだ。価格が200万円のクルマの3年後の残価が80万円とすれば、この金額を除いた120万円を3年間で分割返済する。返済期間を終えても車両は自分の所有にならないが、月々の返済額は安く抑えられる。

 最近は安全装備や運転支援機能の充実によってクルマの価格が高まったが、平均所得は、もっとも多かった1990年代の後半に比べると減っている。クルマの値上げと所得の減少に向けた対策として、残価設定ローンが宣伝されている。販売店では「今はローンを使うお客様の大半が残価設定を選ぶ。現金購入と残価設定ローンの割合は、各50%程度だが、車種によっては残価設定のお客様が上まわる」という。

 そして残価設定ローンは、先に述べたとおり残価を除いた金額を返済するから、新車価格が同じでも、残価が高い車種は月々の返済額を減らせる。残価の高い車種とは、中古車市場で人気が高く、高値で売却できるクルマのことだ。

 たとえばSUVのヤリスクロスに1.5リッターノーマルエンジンを搭載したZの価格は221万円だ。3年間の残価設定ローンを頭金なしの均等払いで利用すると、月々の返済額は4万100円になる。

 コンパクトカーのヤリスに、1.5リッターノーマルエンジンを搭載するZの価格は197万1000円だ。ヤリスクロスZに比べて約24万円安い。

 それなのにヤリスで3年間の残価設定ローンを頭金なしで組むと、月々の返済額は4万1400円に達する。価格はヤリスが約24万円安いのに、月々の返済額は、逆に1300円高くなってしまうのだ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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