バンライフの次はオーバーランドが急増中! ブームに乗って急増中の新たなクルマのアウトドアスタイルとは

この記事をまとめると

■SUVブームに乗って日本でもオーバーランドスタイルのクルマを見るようになった

■オーバーランドとは、野宿をしながら長距離移動する旅のスタイルのことを指す

■日本では、オフロードタイヤやルーフラックの装着、リフトアップなどをしたカスタムカーの総称として使われている

ワイルドなスタイルが日本でもウケているカスタムスタイル

 最近は日本でも目にするようになってきたカスタムスタイルに、オーバーランドがある。バンライフに続くクルマ旅の新しい形として、一部の人たちに注目されているようだ。今年2月に開催されたジャパンキャンピングカーショー2022でも、このスタイルを提案した車両があった。

 オーバーランドは、もともとは「陸路の」「陸路で」という意味の形容詞あるいは副詞で、長距離を陸上移動することを示す単語だった。これがアメリカやオーストラリアなど、広大で自然に恵まれた国々で、アウトドア志向のカーカルチャーを指すようにもなった。砂漠や森林、岩場などを走破し、野宿をしながら長距離移動する旅のスタイルだ。

 個人旅行と旅行ツアーがあるが、いずれも道なき道を進まなければならないので、個人用に使われるクルマは悪路走破性に長けたSUVやピックアップなど。ツアー用車両はトラックの荷台にバスのようなキャビンを構築する。

 市販車のままでは走破は無理なので、リフトアップやサスペンションの強化、大径オフロードタイヤの装着などが必須。野営手段はツアーの場合はテントになるが、個人旅行の場合はピックアップの荷台にシェルを積載したスタイルもある。

 では日本でオーバーランドスタイルが必須な旅は存在するのだろうか。個人的にはほとんどないと思っている。そもそも日本の国土は山がちであるうえに人が多いので、広大な原野が延々と続くような場所は少ないし、あっても自動車進入禁止になっている場所ばかり。なので普通のキャンピングカーで十分に事足りる。

 でもそれは機能的な見方でもある。ジムニーやラングラーのユーザーの中には、ファッションで選んでいるという人もいるだろう。それと同じで、逞しい雰囲気や道なき道を走破できるという機能にロマンを感じて、オーバーランドスタイルに行くのはアリだと考えている。

 そもそも自然保護の観点からは、「未開の土地にズカズカ入り込むのはどうなのよ?」という意見も出るはず。アスファルトの上だけでも満足するのであれば、それもひとつのファッションとして認めて良いのではないだろうか。


森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

愛車
1971シトロエンGS/2002ルノー・アヴァンタイム
趣味
ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
好きな有名人
ビートたけし

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