「エンジンの存続」は命にかかわる重要事項! トヨタが水素エンジン車に力を入れるにはワケがあった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■昨今の「内燃機関はダメ」という考え方は技術の可能性を狭める

■それを明確に示すのがトヨタの水素エンジンだ

■トヨタが水素エンジンに力を入れる理由について解説する

「内燃機関はダメ」という考え方は技術の可能性を狭める

 トヨタは、水素エンジンを搭載するカローラスポーツで、モータースポーツに参戦している。そこには複数の目的があり「二酸化炭素の排出量を抑制する手段は、電気自動車だけではない」と主張することも含まれる。

 各メーカーやブランドが発信している昨今の方針には、内燃機関を否定する趣旨も多い。ホンダは2040年までに、すべての新車を電気自動車と燃料電池車にする目標を掲げた。GMは2035年までに、新車販売される全車をゼロエミッション車にするという。フォードは2030年までに、欧州で新車として販売する全車を電気自動車にして、2050年にはすべてをカーボンニュートラルにするとしている。

 これらの方針は、いずれもハイブリッドを含めた内燃機関を廃止して、電気自動車や燃料電池車に変更するものだ。

 しかし「内燃機関はダメ」という考え方は、技術の可能性を妨げてしまう。日本自動車工業会も「電気自動車は、カーボンニュートラルを達成するための唯一の手段ではない」としており、技術には、常に多様性を持たせておく必要がある。状況に応じて最適な技術を使うことが大切で、ひとつの方法が未来にわたって使われ続けるとは限らない。昨今の傾向は視野が狭いわけだ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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