アルカナはただの「使えるSUV」にあらず! 輸入車唯一のフルハイブリッドなのに走りにも燃費にもルノーマジック全開 (1/2ページ)

素直にカッコイイと思えるスタイリングと使い勝手を両立

 ハッチバックのボディを用いてミッドシップスポーツを作ったり、ミニバンをベースとしたクーペを提案したり、ルノーはいつも独創的なクルマづくりで僕たちを驚かせ、楽しませてくれる。それが人目を引きたいという理由ではなく、既存のパッケージングでは実現できない魅力を提供するためであることは、ミニバンクーペのアヴァンタイムに20年近く乗り続けている僕も実感しているところだ。

 彼らにとって初めてのクーペSUVであり、このブランドが日本で販売する初のフルハイブリッドでもあるアルカナもまた、そんなルノーらしさを備えたクルマだと思っている。

 今回の試乗車は鮮やかなオレンジ。イメージカラーのブラックでは精悍さが際立つのに対し、こちらはクーペらしい華やかさが強調される。あえてクーペを選ぶのだから、このぐらい自己主張してもいい。

 明るい色だからこそ、独特のプロポーションもよくわかる。サイドウインドウはきれいなアーチを描いていて、流れるようなフォルムをアピールするのに対し、ルーフラインはリヤゲートの直前まで水平に近かったりする。

 これが外観からは想像できないキャビンの開放感を生み出している。2720mmという、CセグメントのSUVでは長めのホイールベースのおかげもあり、身長170cmの僕がドライビングポジションを取った真後ろでも、ゆったり過ごすことができるのだ。

 クーペなのだからと2+2レベルとする車種もある中で、カッコ良さと使いやすさを両立するルノーのポリシーを感じる。ラゲッジスペース容量も480リットルをマークしているし、リヤゲートが前方まで大きく開くので奥のものが取り出しやすい。

 一方の運転席まわりは、R.S.ラインならではのカーボン調パネルや赤いアクセントラインで精悍な装いだが、レザーとスウェード調素材のコンビとなるフロントシートは優しく体を受け止めてくれて、ここでもルノーらしさを実感する。

 細かい部分も手抜きなし。たとえばセンターコンソールボックスのリッドは、それ自体が高い位置にあるのでちゃんとアームレストとして機能するし、前後にスライドするので日本人でも恩恵にあずかれる。

 クーペはスポーツカーと違って、グランドツアラーとしての要素も重要。そのことをルノーはよく理解しているようだ。

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森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

愛車
1971シトロエンGS/2002ルノー・アヴァンタイム
趣味
ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
好きな有名人
ビートたけし

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