昔の日本橋の景色が蘇る!? 20年をかけた「首都高1.8km地下化」巨大工事の中身とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■首都高は老朽化が目立ってきており修繕工事が随時行われている

■その一環で、日本橋の景観を戻すために周辺の地下化工事が進められている

■最終的に完成するのは2040年頃となっている

首都高を日本橋の下に通す地下化計画が進行中

 首都高速のC1(都心環状線)を走っていて「あれ、呉服橋と江戸橋の出入り口、なんでなくなっちゃの?」と思っている人がいるかもしれない。

 コロナ禍の2021年5月10日午前0時、両出入口は廃止され、2023年度中に橋脚の撤去が行われる予定だ。こうした工事の理由は、日本橋区間地下化事業に伴う地下ルートの整備のためだ。事業を行う区間は、C1江戸橋JCTから神田橋JCTまでの約1.8kmに及ぶ。

 首都高速道路によると、日本橋区間地下鉄化事業の背景には、道路の老朽化による損傷を根本的に改善するためと説明している。

 首都高速は、1964年の東京オリンピック開催に向けて、当時としては世界的に見ても異例の都心部での高架線と地下線を複雑に組み合わせた先進的な建造物であり、またオリンピックに間に合わせるため工期がかなり短かったとも言われているのだ。

 それから60年近くが経過し、首都高速の初期ルート部分である日本橋区間周辺は1日あたり約10万台もの通行がある過酷な使用環境のため、コンクリート床版の亀甲状ひび割れなど、老朽化による損傷が発生しているという。

 そうしたなか、「人中心」の豊かな都市空間のあり方において、首都高速が景観に与える影響についても多方面で議論が進んでいった。なかでも、日本橋川周辺は、国家戦略特区の都市再生プロジェクトが進んでおり、現在は日本橋の真上を横切るように走ってる首都高速について、地下化によって昔のような景観を取り戻したい、という声が高まった。

 本格的な議論が始まったのは、2017年11月からで、国土交通省、東京都、中央区、そして首都高速が参加し「首都高日本橋地下化検討会」が2018年7月まで開催された。それに基づき、2019年2月に都市計画素案説明会、同年10月に都市計画の変更を経て、2020年4月に都市計画事業の許可に至っている。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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