派手な「ウリ」はないけど乗ればわかる「いぶし銀」の魅力! プロが太鼓判を押す「なんかいい」クルマ5選 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■際立った機能や性能は有してなくても「いいクルマ」と言い切れるモデルを紹介

■長年続く人気モデルである場合が多く、失敗したくないなら間違いない選択だ

■日本のBEV市場の歴史を作ったモデルも「なんかいい」クルマとして紹介する

抜きん出たよさはないけど「なんかいい」と勧めたくなるクルマ

 クルマの魅力というのは、わかりやすいものとわかりにくいものがあります。

 わかりやすいものとは、たとえばデザインが斬新だったり、世界初の技術が搭載されていたり、他メーカーにはない独自の機能が備わっていたりするクルマです。わかりにくいものとは、既存のエンジンを細かく改良して熟成させていたり、ボディ剛性や足まわりのチューニングなどを仕上げているなど、外からは違いが見えず、乗ってみて初めて良さが感じられるようなクルマです。

 正直なところ、後者は記事を書く際にもどうやってその魅力を伝えようかと頭を悩ませてしまいます。やっぱり、「世界初!」「軽自動車初!」といったキャッチーな要素があるクルマのほうが、話題性があるしわかりやすく書けてラクだからです。

 でも、後者のなかにも確実に「良いクルマ」は存在します。むしろ、実際に乗ってみて「いいよね」と感じるのは、そんなクルマのほうが多いのかもしれません。そこで今回は、これといってわかりやすい特徴があるわけではないけど、乗ると「なんか良いよね」なクルマたちをご紹介したいと思います。

 まずは、そんなクルマの代表と言ってもいいかもしれない、ホンダ・フィット。4代目となった現行モデルは、初代からずっと元気いっぱいのスポーティなイメージできたところから、ちょっと方向性を変えて「心地いい」がテーマとなりました。

 ボディサイズも大きくなり、後席の広さはコンパクトカー随一。ファミリーでも十分に使える実力です。ハイブリッドモデルは従来のシステムから、2モーターハイブリッドであるe:HEVに進化して、発進時はEV走行、一般道では積極的にモーターアシストを使い、高速走行ではエンジン直結として効率良く走れるように。その移り変わりがとてもなめらかで、エネルギーモニターをじっくり見ていないと気がつかないほどシームレスで、どこを走っても本当に「心地いい」コンパクトになっています。

 でも、従来のようなグレード名ではなく、「NESS」「HOME」といった、キャラクターの違いを表現したグレード名になったこともあり、これまでのフィットユーザーが自分に合うクルマだとイメージしにくくなってしまったのかもしれないですね。ただ、2022年10月のマイナーチェンジでは、なんとスポーツグレード「RS」が復活するとのアナウンスが! これまでの元気なフィットのイメージが戻ってくるのかどうか、注目です。

 2台目のなんか良いクルマは、初めてハイブリッド専用のコンパクトカーとして登場した、トヨタ・アクア。初代はいまのヤリスみたいなイメージで、後席スペースはタイトでもイケイケなデザインと、ついつい飛ばしたくなるスポーティな走りがシングル世代の男性を中心に支持され、大ヒットしました。

 2代目となった現行モデルは、ヤリスとの差別化を図るためなのか、デザインはやや柔和な印象となり、後席スペースが拡大。走りも上質感が増して、どちらかというと「ヤリスのお兄さん」的なキャラクターになりました。これまでのように エモーショナルな感じではないものの、燃費は優秀だし、快適性も高いし、乗るとやっぱり「いいよね」と思える1台となっています。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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