【試乗】5代目「砂漠のロールスロイス」の走りやいかに? 新型レンジローバーの激速ガソリンモデルに乗った (1/2ページ)

この記事をまとめると

■5代目となるレンジローバーが登場

■PHEVやマイルドハイブリッドなどをラインアップすることが決定している

■3年分の受注が一部グレードで埋まっており、買えるモデルが現状では限られている

5代目となる最新の「砂漠のロールスロイス」に乗ってみた

 英国ランドローバー社のラグジュアリーSUV「レンジローバー」がフルモデルチェンジを受けた。その最新モデル試乗を国内で行うことができた。新型はスタイリッシュなデザインとさまざまなスペシフィケーションが多くのレンジローバーファンの注目を集めるところとなり、予約受注も行われているが、一部モデルは向こう3年分の生産枠が埋まってしまったという。

 レンジローバーは、ランドローバー社の歴史のなかでさまざまな進化を遂げてきている。これまでに計4回のフルモデルチェンジを受けていて、今回で5代目となる。初代の頃から言われているのは「砂漠のロールスロイス」と形容をされるように、悪路においても優れた乗り心地と、英国の伝統的な上質さと優雅さを兼ね備えたモデルとして世界中で多く顧客を抱えているのである。本国・イギリスで見れば英国王室御用達ということで王室ファミリーがランドローバー車でさまざまな場面に登場するシーンをよく見かけるだろう。

 今回フルモデルチェンジを受けた新型レンジローバーは、外観的には非常に滑らかな表面仕上げ処理がされていて、CD値0.30という優れた空気抵抗係数を可能としている。同時にLEDのヘッドライトやリヤコンビネーションランプなどが造形自由度の高さを物語っている。基本的なウエストラインやルーフラインなどの構成は歴代モデルを継承していて、4代目をさらに洗練させたような雰囲気を漂わせている。車体はバルクヘッドに鉄製鋼板を用い、適材適所の材料を使用した新型の車体プラットフォーム(MLA-Flex)となっていて、これから販売されるPHEVモデルなどを含め、フル電動化などへも転用することが可能なスペックとなっている。

 今回、国内に導入されるのは4.4リッターV型8気筒ツインターボチャージャーガソリンエンジンモデルと3リッター直列6気筒ディーゼルターボエンジンにマイルドハイブリッドシステムを盛り込んだモデルの2タイプだ。さらに今後、3リッター直列6気筒ガソリンエンジンをベースにPHEV化したモデルも追加導入されるという。また、将来的には完全電気自動車(BEV)仕様もラインアップされるということで、今後の展開も注目されるところだ。

 我々が試乗したのは、現状受注でもっとも人気が高く、予約受注停止モデルになってしまったという4.4リッターV8ツインターボのガソリンエンジン仕様である。最高出力530馬力、最大トルク750Nmという圧倒的な出力スペックを持っている。これに8速のトルコン式オートマチックトランスミッションを備えている。もちろんフルタイムのAWD駆動方式を採用している。また、トピックスとしては後輪が最大7.3度まで逆相に切れる四輪操舵4WSが装備され、これにより最小回転半径が6.1mと非常に小さくなっているのも特徴的だ。実際に試乗してみると、回転半径の小ささに何よりも驚かされるはずだ。

 室内に乗り込むとダッシュボードデザインは非常にシンプルでモダンな印象を受ける。13.1インチのタッチスクリーン方式フルHDパネルが中央に採用されていて、パネルタッチはフィンガーアクションがリターンしてくる触感フィードバック機能で操作感は非常に確実なものとなっている。またドライバー正面のメーターパネル内には13.7インチのインタラクティブドライバーディスプレイが配置され、表示コンテンツレイアウトをカスタマイズすることができる。

 ステアリングホイールは4本スポークだが、左右に上下の2本ずつ伸びる一見2スポークのような形状となっていて、ハンドルを180度回転した時もメーターの視認性が損なわれないデザインとなった。

 センターコンソールにはトランスミッションのシフトセレクターが備わり、小さな操作でDレンジやリバース、ニュートラルなどへシフト可能で、パーキングへはボタンスイッチを押すことで切り替えることができる。また、悪路などの走行性能を高めるテレインモードスイッチがその横に備わっている。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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