こんな乗客は嫌だ! 路線バスのドライバーに本音を聞いた

この記事をまとめると

■路線バスのドライバーに聞いた“困った乗客”について解説

■走行中に車内移動をする人は少なくないという

■バス愛好家による行きすぎた行為も

降りるのに時間がかかってもいいから走行中は立たないで!

 路線バスは皆さんもご存じのように座席数は限られ、混雑していれば立ったまま、つり革などにつかまって乗車するのが一般的である。そのような環境のなかでバス乗務員が細心の注意を払うのが車内転倒事故の防止だ。安全・安心運行が大原則の路線バスだが、やむを得ない事情で急ブレーキをかけることがある。この時におもに立ったまま乗車している乗客となるが、急ブレーキにより床に倒れるなどしてケガをしてしまうことなどが車内転倒事故に該当する。

 バスが発車するときに、「お立ちのお客様はつり革などにおつかまりください」と車内アナウンスするのは車内転倒事故防止のためのものなのである。そのなかで、つり革などにつかまらずに立って乗車している乗客は乗務員にとっては気になる存在になるだろう。つり革などにつかまることを強制することもできないからである。

 この車内転倒事故で気になるのが、お年寄りの走行中の車内移動である。ご自身が機敏に動けないということを自覚していることもあるのだろうが、降車するバス停が近くなると走行中でも座席から立ち上がり降車ドアに向かおうとするお年寄りは結構多い。バスは停留所に停まろうとブレーキをかけようとしているタイミングでもあるので、ちょっとしたことで急ブレーキをかけざるをえない状況にもなりやすいし、お年寄りはブレーキをかけた時に転倒するリスクが高い。

 乗務員によっては「停まってからお立ちください」など車内放送してけん制することもあるが、それでも立って移動しようとするお年寄りはあとを絶たず、乗務員を悩ます乗客の最右翼といってもいいだろう。地下鉄や鉄道は階段などがあるので、お年寄りのなかには路線バスでの移動をメインにしている人も多い。お年寄りの大切な足なのだが、そのお年寄りのなかに意外なほど困った乗客がいるのが実状のようである。

 信号待ちなどで停車しているときは別として、走行中でも行き先などの問い合わせで運転席まできて乗務員に話しかけてくる乗客にも困るという。またコロナ禍となり、運転席と客席を仕切るビニールカーテンを設置しても、そのカーテンをまくって近距離で話しかけられるのも、かなり困っていると聞いたことがある。

 その他、気になる存在としては、バス愛好家だろう。首都圏で見ていると新型コロナウイルス感染拡大以降、感染予防のため扉側最前席(通称オタシート)を使用できなくする事業者がほとんどとなったが、いまではオタシートの使用を再開している事業者も目立ってきている。バス愛好家を自負する筆者は、“GOTOトラベルキャンペーン”を実施していたころは、首都圏では筆者の生活圏ではオタシートが閉鎖され座れなかったこともあり、札幌や福岡まで足を延ばし、地元でオタシートを開放している事業者のバスに乗りまくったりしていた。また北関東某県の県庁所在地を走るバスが車両も古くオタシートを開放しているのを知り、泊りがけで“乗りバス”しに行ったりしていた。

 オタシートに座る愛好家に運転している様子をガン見されるのも気になるようだが、なかには撮影、しかも動画撮影する人もいて、さすがにこれは嫌がる乗務員も多いと聞いている(ちなみに筆者はあまり運転席をガン見せず、撮影もせずにオタシートに座っている)。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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