新型プリウスはもう燃費最優先のエコカーじゃない! 「色」と「デザイン」に隠れたトヨタが本気で目指す「愛車道」 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■フルモデルチェンジしたプリウスの色に注目

■ホイールアーチは素材色とブラックパール

■新色の「アッシュ」と「マスタード」が用意される

樹脂トリムによってタイヤを大きく見せている

 世界的にハイブリッドカーの代名詞といえる、それ単独でブランドとして成立しているビッグネーム「プリウス」がフルモデルチェンジを発表した。

 アーキテクチャーは、TNGAを進化させた第二世代バージョンということで、基本設計では従来モデルの延長線上にあるが、フロントまわりのボディ設計やサブフレーム形状を新たにしたほか、構造接着剤の活用法を見直すことなどで全体に剛性をアップした。それにより細幅大径の19インチタイヤを履きこなしているのはトピックスのひとつだ。

 一般論として細幅大径タイヤというのは走行抵抗を軽減する効果が期待できる。新型プリウスの195/50R19 88Hという非常に変わったタイヤサイズは、スポーツ一辺倒のイメージというわけではない。なお、会場で取材した範囲では燃費寄りのグレードは17インチタイヤを履いているようだ。しかし、燃費スペシャルで15インチタイヤを履くグレードを用意するようなことは、新型プリウスではなさそうだ。

 ところで内径19インチ・外径679mmという大径タイヤの採用は、デザイン面でもポジティブな効果を見せている。全長は4600mmと従来型から25mm長くなっただけだが、タイヤが大きくなったことにより、プロポーションから受ける印象が変わっている。

 新型プリウスをはじめて見た多くの人が、素直に「カッコいい」という感想を持つのは、大径タイヤを活かしたプロポーションや、キャラクターラインを抑えて面の抑揚で表現したエモーショナルな造形によるところが大きいだろう。

 そのなかで、ディテールとして注目したいのはホイールアーチ部分の樹脂トリムだ。クロスオーバーSUVのムーブメントを受けて、セダンやスポーツカーでも樹脂のフェンダートリムを見かけることは増えているが、新型プリウスが樹脂トリムを採用した狙いは、タイヤをより大きく見せるためだという。

 樹脂トリムの部分までタイヤと認識させることで、21インチ級の超大径タイヤを履いているかのようなイメージを生み出すことを狙っているというわけだ。

 ところで、11月16日に開催された世界初公開において、この樹脂トリムは少なくとも2パターンあることが確認できた。ひとつは素材がむき出しの仕様で、もうひとつが艶のあるブラックにペイントされた仕様だ。

 発表会で取材したところ、この艶ありブラックは「プレシャスブラックパール」という非常に高価なペイントを使っていることが判明した。このことからもディテールにこだわってカラーデザインされていることがわかる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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