「運転が上手くなる」チューニングパーツがSTIから出ているってホント? 真偽をBRZに装着して試してみた! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■STIフレキシブルパーツは辰己英治さんが考案した人気のアイテム

■装着することで「運転が上手くなる」と言われている

■その真相をBRZで“フレキシブルパーツ有り無し比較試乗”を実施した筆者が語る

スバル車オーナーから絶大な人気を誇るSTIフレキシブルパーツ!

 STIフレキシブルパーツを装着すると、ボディが強くてしなやかとなり、その結果「運転が上手くなる」という。STIフレキシブルパーツは旧富士重工業時代、長年にわたり車両実験に携わった現STIの辰己英治さんが考案したもので、ある方向からの力に対しては突っ張らずに”いなす”ことによって路面からの入力を処理。走行中のシャシーのしなりを補正し、初期操舵の鋭敏な応答性としなやかな乗り心地を両立させる効果を発揮する。

 STIフレキシブルパーツは、2007年に発売された4代目レガシィの「tuned by STI」に初めて装着されたSTIフレキシブルタワーバーが第一弾で、SUBARU車の走りの質を大きく変えた。その後パーツ単体でも発売され、2017年に年累計生産数は10万本を突破。その効果は多くの人が実感しやすく、車体に適度なテンションをかけることでミクロのガタを低減する「STIフレキシブルドロースティフナー」と共に、SUBARU車ユーザーの間では人気の定番アイテムとなっている。

 STIフレキシブルパーツを装着すると、四輪の路面接地性が向上。コーナーリング中の安定性が増し、クイックで素直なステアリング操舵感が実現することで、ドライバーはクルマを自由自在に操れているとの実感が高まる。無駄な修正舵がなくなるので、同乗者には「運転が上手い」との印象を与えられるというわけだ。

 だからといって、絶対的なタイヤのグリップ力やクルマの限界性能が高まるわけではないので、サーキット走行でのラップタイムなど、数値的には実証しづらいものでもあり、イマイチ伝わりにくい面があるのも事実。そこで今回は、長年SUBARU車に乗り続け、STIフレキシブルパーツの効果を実感してきた筆者が、とてもわかりやすい「運転が上手くなる」体験をしたので、それを報告したい。

 筆者は現行型BRZを購入後、半年以上経ってもSTIフレキシブルパーツを装着していなかった。その理由はボディ剛性やサスペンションへの不満がなかったからで、経年劣化が現れたら装着するつもりだったのだ。しかし、STIの辰己英治さんにいわせると、現行型BRZには、直進時のステアリングのすわりや、舵角を当てて直進に戻す際の手応えにはさらに良くなる余地が残されているという。

 そこで、具体的にはどう変化するのかを確認するべく、現行型BRZでSTIフレキシブルパーツの有り無し比較試乗を実施してみた。まずは筆者が所有するBRZ(当時はSTIフレキシブルパーツ未装着)の助手席に辰己英治さんを乗せ、市街地をごく普通に走行。辰己英治さんは多くのスバリストにとって超のつくカリスマ的存在なので、筆者としては、絶対に運転が下手だと思われたくない。その一心から、全力で神経を研ぎ澄ませ、これ以上は無理というほど丁寧でスムースな運転操作を披露しようと心がけた、しかし、気負いすぎたせいもあってか、車内は微妙な空気に。

 手のひらにジワッと汗をかきながら「私の運転、客観的に見てどうでしょうか?」と問うと、辰己さんは「うーん、そうねぇ。まぁなんというか……」と困った表情を浮かべる。自分としては、緊張と気負いのあまり、時にギクシャクしてしまう場面があったのを自覚していた。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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