「全部乗せ」の意味じゃなかった! 旧車の中古車でよく見る「フル装備」の中身とは

この記事をまとめると

■「フル装備」がアピールされる中古車がある

■この記事では「フル装備」に該当する条件について解説

■すべての装備が付いているという意味ではない

フル装備と言われると豪華そうに感じるが……

 旧車がブームというか、高騰&爆騰でなにかと注目されていたりする。個々の物件を見てはため息をついたりするわけで、そこで目につくのがアピール欄に書いてある「フル装備」という文字。なんか豪華だなと思うが、よく考えると具体的になにを意味しているのか、よくわからない言葉でもある。

 最近のクルマは下級グレードでもそこそこの装備は付いていて、そのまま乗っても大きな不満は出ることはほぼないので、装備がフルと言われてもピンとこないかもしれない。それが昔ともなると、下級グレードはなにも付いていないし、付いていても上級グレードとは違う、簡易なものだったりした。アルミホイールと鉄チンの差がわかりやすいだろうが、それ以外にもクーラーのありなし、ドアウインドウの上下が電動か手回しか。ラジオでFMが聞けるかなど、至るところに差があった。

 そうなると、旧車を買っても低級グレードだとなにも付いていないわけで、いくら古いものと割り切っていても辛いこともある。逆に装備が充実していると、旧車でも快適度は増すわけで、この点のアピールが「フル装備」という文言になる。もちろんフルと言っても厳密に1から10まですべての装備が付いているわけではなくて、最上級グレードとして装備が揃っていて不満はないという程度の内容だ。

 そしてもうひとつが、ベースは実用グレードだったり、下級グレードだとしてもそこにオプションや、クーラーなどの社外の快適装備がいろいろと付いている場合も「フル装備」という言葉が使われる。

 いずれにしても装備が充実していることを指していて、我慢しなくてよかったり、不便な思いをしないで済むという意味が「フル装備」という言葉に込められている。また、いろいろと付いている装備を羅列しなくてもひと言で表せる便利な言葉として利用されていることも多い。とくに中古車のスペック欄は限りがあるので、ひと言で完結にアピールするために「フル装備」という言葉が使われるという面もある。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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愛車
フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
趣味
レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
好きな有名人
遠藤ミチロウ、岡江久美子

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