狙い目は賑わっている「ポツンと一軒」ディーラー! お客も注意したい販売店の「テリトリー」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ある自動車ディーラーが閉店するという話を聞いた

■家賃負担に耐え切れずに店を閉めることになったようだ

■いまディーラーが上手くやっていくには人付き合いも重要

人付き合いがあってこそ成り立つ自動車ディーラーの裏側

 先日筆者の生活圏内にある某メーカー系ディーラーの某店舗が2022年度(2023年3月末まで)いっぱいで閉店するという話を聞いた。昨今の新車納期の混乱で実績としての計上が思うように進まないなか、借地にて店舗運営をしていたので家賃負担に耐え切れずに店を閉めることになったとのことであった。

 メーカー系新車ディーラーの店舗は筆者が聞いている限りでは借地の上にショールームを設けているケースが多い。借地で店舗展開するといっても、地元の地主さんから土地を借りるケースのほか、メーカーが地主となり、つまり大家さんとしてディーラーに土地を貸すといったケースもあると聞いている。またあえて自社名義で土地を取得して店舗展開するディーラーもあるようだ。もちろん、最近目立ってきているショッピングモール内への出店はテナントして入居するわけだから、テナント料を払うことになるだろう。

 また、店舗だけでなくモータープールも借地であったり、自社所有地であったりしている。ディーラーによっては自社所有地に最新の物流倉庫のようなモータープールを建設するところもあれば、更地を借りてモータープールを拡大するところもある。借地にするか、自社所有にするかはそれぞれのディーラーの経営判断によって異なっているようである。

 少し昔の話では、大家さんとなる地元の農家が梨の栽培を行っていて、毎年夏になると結構な量を大家さんから購入して社員に配っているディーラーもあると聞いている。

 前述の閉店した店舗は、店舗を構えたあとに周辺の宅地開発が急速に進んだのだが、追随して近隣に店舗を構える他ディーラーがなく、一時は新しく引っ越してきた人たちの新車需要が殺到して入れ食い状態となった。ほかのディーラーはすでに比較的近い場所に店舗を構えており、新たに店舗を構えると自社店舗同士でお客の奪い合いになってしまうことを心配していたようである。自社で店舗が被らない限りニュータウン周辺はあっと言う間にディーラーが続々新規出店してくることが多い。

「ファーストペンギン」ではないが、早い者勝ち状態になるのである。ただ、狭い地域内、極端な話では隣近所にディーラーが建ち並ぶと、掛け持ちで店を回るお客も多くなるので、セールスマン同士もライバル店の様子(値引きや、いまどきなら納車状況など)が見えやすくなるので、中途半端なハッタリをかましてもあまり効果は期待できない。まさに、リアルガチに「隣は……」というように駆け引きしていかないと好条件は引き出しにくいだろう。

 ポイントとしては、すぐ近くにライバルディーラーがあるわけではないが、いつもお客でにぎわっているような店舗に注目してもらいたい。SNSなど新たなツールも駆使し、口コミで、「値引きが出やすい」とか、「店の雰囲気がいい」といった情報が飛び交っている可能性が高い。筆者の生活圏内でも、ポツンと店を構えているが購入条件やアフターサービスでポテンシャルが高く、長い間そのメーカーのクルマを買うならココみたいな店舗が存在しているし、確かに訪れると非常に感じがいい。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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