国産スポーツカーの代表格! 日産スカイラインGT-Rの進化を振り返る (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日産スカイラインGT-Rの歴代モデルを紹介

■ルーツはスカイライン2000GT

■現行型で6代目となる

日本の技術力を世界に示したスポーツモデル

 GT-Rといえば日産を代表するスポーツカー。ただそのルーツは普通のセダンに高性能エンジンを搭載しレース仕様に仕立てたスカイラインGT-Rです。

 今回は歴代スカイラインGT-Rをそれぞれ紹介していきます。

スカイラインGT-Rのルーツ「2000GT」とは

 スカイラインといえば誰もが「スポーツセダン」と連想することでしょう。そもそも、そんな評判が定着したのは2代目スカイライン2000GT以降のことです。

 第2回日本グランプリ参戦のため、1.5リッターエンジンを搭載していた『ただの』セダンをベースにホイールベースとボンネットを拡大。2リッター直6エンジンを無理やり詰め込んだスカイラインGTは、同グランプリで一時的にポルシェ904GTSを抑えてトップを快走し自動車ファンを沸かせます。

 レース後、シングルキャブレター仕様の2000GT-A、さらにウェーバー装着車は2000GT-Bとして量産モデルの販売を開始。ここからスカイラインは直6エンジンを搭載するスポーツセダンと評されるようになり、さらなるハイパフォーマンスモデルがGT-Rへと進化したのです。

初代スカイラインGT-R(1969〜1973年)

 2000GTの存在からスポーツセダンとして人気が高くなったスカイラインは、1968年のフルモデルチェンジで3代目へと進化します。

 デビュー時には4ドアセダンとステーションワゴンのエステート、商用バンをラインアップしていた3代目は、1969年にレーシングカーR380に搭載していたエンジンを4ドアセダンに搭載したハイパフォーマンス仕様のGT-Rを追加しました。

 市販車向けにデチューンしたとはいえ最高出力160馬力を発揮するS20型2リッター直6・DOHC4バルブエンジンは、当時としては超ハイスペック。一見、直6エンジンを搭載する2000GTと変わらない「普通のセダン」でしたが、中身は怪物だったわけです。

 先代の2000GT同様、初代GT-Rはレースで戦うために作られたモデル。そのためレースで有利となるショートホイールベースの2ドアハードトップGT-Rが後に追加され、ツーリングカーレースで50連勝という大記録を成し遂げました。

2代目スカイラインGT-R(1973年)

 レースシーンで活躍したスカイラインの名声はクルマ好きの間で定着。ケンメリとの愛称で呼ばれた4代目は1972年にデビューしましたが、3代目に続きGT-Rが用意されています。

 先代同様S20型エンジンを搭載した2代目GT-Rは、2ドアハードトップをベースに1973年に登場。前後オーバーフェンダーやラジエターグリルなど専用パーツを身につけて、より迫力が増した外観に仕立てられました。

 エンジンのスペックは先代同様で、メーカーが発表していた最高時速は200km/h。ベース車種とサスペンション形式は同じでしたが、リヤスタビライザーが装着されるなど走りに特化したセッティングが施されています。

 GT-R含めスカイラインの大きなトピックスとして、丸形テールランプがこのモデルから装着されたことをお伝えしなくてはなりません。いまだに「スカイライン=丸形テールランプ」とのこだわりを持つファンが多いのですが、そのお約束は4代目スカイラインから始まったのです。

 当然、2代目GT-Rは先代に引き続きレースシーンで活躍する……と思いきや、昭和48年度排ガス規制に適合しなかったことでレースに参戦することもなく、販売もわずか4カ月で打ち切られてしまいました。

「悲運のGT-R」や「不遇のクルマ」などと呼ばれた2代目の販売台数はたった197台と、幻のGT-Rとなってしまいます。


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