アプリ専用車両も登場して「プロの技術」をもたないドライバーも! アプリの浸透はタクシー業界にとって諸刃の剣か (1/2ページ)

この記事をまとめると

■アプリによるタクシー配車サービスがいくつか存在

■迎車回送料金、アプリ配車手数料などがかかるものの利用する人は少なくない

■タクシーアプリの懸念点について解説する

迎車回送料金、アプリ配車手数料などがかかる

 現状都内で見ていると、複数のアプリによるタクシー配車サービスが存在する。そのうちのひとつのサービスを提供する会社が、アプリ配車専用車両及び専用乗務員を用意し、すでに稼働させている。さらに繁忙時間帯などにフォローする乗務員と車両も配置するとしている。

 新型コロナウイルス感染拡大も落ち着き、3月13日からはマスク着用についても緩和されるほど、行動規制緩和が進みタクシー需要もだいぶ戻ってきているとされる。しかし肝心の乗務員確保が間に合わず、いわゆる車庫で寝ている休車車両が各事業者で目立っているともいわれている。確かに夕方など繁忙時間帯には東京都内でも流し営業(道路を走り手を挙げてくれるお客を乗せる)のタクシーに出会うのはかなり厳しくなっている。そのような状況下で、アプリ配車要請を断る乗務員もいるようで、アプリによる配車要請にも応えきれていないという現状が見てとれる。

 なお、前述したアプリ配車サービスでは配車要請をすると迎車回送料金がかかるだけでなく、東京都内(23区及び武蔵野、三鷹市)ではアプリ配車手数料として100円取られるのだが、アプリ配車のヘビーユーザーはお構いなしで利用する人が多く、タクシー事業者から見ればお得意様といっていい存在になっている。「都内では現状では稼働しているタクシーはけっして十分とはいえませんが、それでも道端で少し待っていれば空車のタクシーにめぐりあって乗車することができます。それなのに道端でアプリにて配車要請すれば迎車回送料金などがかかるだけでなく、配車待ちしている間に空車のタクシーが通り過ぎることもあるのに、アプリでタクシーを呼ぶ人が増えているそうです。この状況をタクシーアプリ中毒などと例える業界関係者もいます」(事情通)。つまり、事業者から見れば事前登録したクレジットカードなどでの自動精算となるので、料金についても関心が薄いなか、頻繁に利用してくれる、おいしいお客様なのである。

 アプリ配車サービス会社としては、利用者の利便性向上のための対策と考えているのだろうが、こうなるとアプリ配車専用ドライバーをタクシー運転士と呼ぶのは難しくなるだろう。配車要請先へ迎えに行き、お客を乗せて目的地まで送り届けることになるが、この流れのなかではカーナビによってルート案内がされるので、まず営業地域内の地理に詳しくなる必要はない。また事前に登録したクレジットカードで自動精算されるので、現金を扱う必要がなくなる。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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