泣きたいときにドライブしながら聞く曲TOP3とは? 【シーン別ドライブで聴く曲 まるも亜希子編】 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ドライブのBGMにおすすめの曲を紹介する本連載

■今回はまるも亜希子さん

■泣きたい時やあてもなく走りたい夜などに聴く曲を教えてもらった

辛いときは音楽を聴きながらドライブ!

 人は誰でも、ひとりで運転席に座るとき、自分だけの世界を手に入れられるのだと思っています。だから、人前では抑えていた感情が、ドアを閉め、エンジンをかけ、ひそかな振動に揺られて走り出した途端に、ウワッと心からあふれ出すことがあるのです。

 ただただ、自分の心に正直になって流れる景色に身を委ねるだけでも、ドライブは最高の心の洗濯。でもそこに音楽があれば、時にはもっと深く激しく心を揺さぶり、時には穏やかな水面のように鎮めてくれて、時には温かなブランケットのように包んでくれるものだと思います。

 何か仕事で失敗してしまったり、悪口を言われているのを知ってしまったり、大切な人との別れがあったり、生きていれば辛いことはたくさんあるものですよね。そんな時には、ドライブしながら思いっきり泣くことにしています。

 泣きたい時に聴く曲のベスト3が、まず森高千里さんの『渡良瀬橋』。これは栃木県足利市を流れる、実際に存在する渡良瀬川にかかる橋がタイトルで、歌詞に登場する八雲神社や、「床屋の前にある公衆電話」などまで実在します。離れてしまった彼と過ごした足利での日々を忘れられず、かといって地元を飛び出して追いかけていくこともできない彼女の、せつない気持ちが綴られた曲。とくに、「今でも八雲神社にお参りすると あなたのこと祈るわ 願いごとひとつ叶うなら あの頃に戻りたい」で涙腺崩壊する人も多いと思います。じつは私は母の実家が足利にあり、幼い頃から祖父、祖母、叔父たちと過ごした思い出の街。亡くなったひとりひとりを思い出したり、いつかはみんなとお別れする日がくるのだなぁ、などと思うとよけいに涙が出てしまう曲です。ちなみに今、渡良瀬橋の土手にはこの曲の記念碑が建っており、ファンの聖地となっています。

 思いっきり泣きたい時の曲ベスト3、2曲目は竹内まりやさんの『純愛ラプソディ』。これは正直なところ、なぜこんなに泣けるのかよくわからない曲なのです。ドラマチックな出会いもなく平凡な毎日を過ごしていた女性が、ある人を好きになったことで毎日が輝きはじめたのですが、その人はもう他の人のものだった、という筋書き。よくある話ではあるのですが、まりやさんならではの温かさあふれる言葉選びと、最後の「どこまでも主役にはなれない私 でもいいの 人をこんなに好きになり 優しさと強さ知ったわ それだけで幸せ」という歌詞がもう、本当にせつなくて、でもすごく人として素晴らしいことを伝えてくれている気がして、泣けてしまう曲です。

 思いっきり泣きたい時の曲、3曲目は世界的な名曲、カーペンターズの『イエスタディ・ワンス・モア』。心が弱っている時などに、つい昔を振り返って「あの頃はよかったな、楽しかったな、戻りたいな」と思ってしまうことってありますよね。老いていく自分がたまらなくイヤになったり、会えなくなった人たちを懐かしんだり、そんな気持ちにもピッタリの曲なんです。私は自動車業界に飛び込んでから、唯一同業者で親友と呼べる同年代の女性を、30代で亡くしてしまいました。病気になっても元気に振る舞っていたので、きっとすぐ完治して帰ってくるとばかり思っていたのに、あっさりと逝ってしまいました。その彼女が生前、元気になったらカラオケで歌えるようになりたいと練習していたのがこの曲だったと聞き、彼女とはよく一緒にドライブも行ったので、私にとっては何より泣ける曲になりました。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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