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回数券&定期券導入! 天気で料金を変動! 需要減のタクシー業界を「救わない」施策と本当にやるべきこととは (1/2ページ)

回数券&定期券導入! 天気で料金を変動! 需要減のタクシー業界を「救わない」施策と本当にやるべきこととは

コロナ禍であえぐタクシー業界の起死回生の一手?

 国土交通省は2020年11月30日より、タクシーの新しい運賃・料金サービスとして、「一括定額運賃(定期券/回数券)」の申請受け付けを開始した。鉄道やバスの定期券や回数券のように、あらかじめ前払いすることで割安に利用できるという点では共通しているようである。事業者個々が運用区間などの申請を行い実施するものだが、詳細な内容については申請事業者個々に任されている部分が多い。

 また、最近では国土交通省が、タクシー需要の少ない晴れの日には料金値下げをし、需要の多い雨の日には料金を値上げするという、変動料金制度の導入検討をしているとの報道があった。定期券や回数券などを含め、コロナ禍で大幅な需要減となっているタクシー需要を喚起するためのものとされているようだが……。

 残念ながら、このようは施策で効果的に新しい需要を積極的に呼び込むことは難しい。コロナ禍以前から、タクシーは公共交通機関の一部でありながら「贅沢な乗り物」というイメージが大きく、料金の高い・安いに関係なく利用する人は積極的に利用するが、利用しない人はどんなに特典が付与されても利用しないというのは、タクシー業界では共通認識といっていいものとなっている。

 かつて、東京の準大手タクシー事業者で運行管理者をやっていたA氏は「私はおもに、タクシーチケットの営業担当をしておりました。すでにチケットをお持ちになっているお客様(多くは法人や官公庁)のフォローをしながら、新規開拓のための飛び込み営業もしておりましたが、業務上のニーズがない限りはたとえメリットがあっても話すら聞いてもらえませんでした」とのこと。タクシーチケットの利用に不正使用(各法人内での取り決めに反した使用/社員が使ってはいけないのに使った、高速道路は使えないのに使ったなど)はつきもの、経理部署などでの管理が大変ということもあったようだ。

 監督官庁が少しでもコロナ禍で需要減のなか、タクシー利用が増えて業界が元気になるように、あの手この手の新しい施策を設けることを否定するつもりはないが、所詮はいままでのタクシー利用者のなかで、「便利だから使ってみよう」で終わってしまい、新しい需要の発掘という面では効果はなかなか期待をできないというのが現場の認識のようである。

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