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見た目はデカハスラーでも中身は別モノ! スズキ・クロスビー登場

見た目はデカハスラーでも中身は別モノ! スズキ・クロスビー登場

ハスラーとの共用部品はひとつもない

 12月14日に発売された新型スペーシアと並び、スズキが東京モーターショーで参考出品し、多くの来場者が積極的に内外装を確かめていたクロスオーバーSUV「クロスビー(XBEE)」。その市販モデルがクリスマスの12月25日、正式発表された!

 その内外装は、写真で見るとまさに「ハスラーワイド」というべきデザインだが、実車を見るとハスラーとはまったく異なるグラマラスなボディが与えられていることがわかる。とくに東京モーターショーでは、クロスビーのすぐそばにハスラーが展示されていたため、見比べるとその違いは一目瞭然だった。実際にクロスビーとハスラーはデザインテイストこそ共通だが、両車で共用されている部品は1つもないという。

 そしてそれは、ボディやシャシー、パワートレインなど「走り」の部分も同様だ。プラットフォームは先代ワゴンRをベースとしたハスラーのストレッチ版ではなく、イグニスソリオに採用されているAセグメント車用の最新世代「ハーテクト」。Bピラーやサイドシルに1180MPa級の超高張力鋼板を使用するなど、ボディ全体の高張力鋼板使用比率を重量比ベースで47%にまで高めることで、FF車で960kg、4WD車でも1000kg以下と極めて軽量に仕上げられている。

 ボディサイズは全長×全幅×全高=3760×1670×1705mm。同じプラットフォームを使用するイグニスおよびソリオの中間に位置するサイズで、より共通点が多いイグニスに対し60mm長く、10mm広く、110mm高いサイズとなっている。ホイールベース2435mm、最低地上高180mmはイグニスとまったく同一だ。

 そんなクロスビーの開発コンセプトは、「広い室内のワゴンとSUVを融合させた新ジャンルの小型クロスオーバーワゴン」だ。具体的には、

・コンパクトで取り回しがよく大人5人がしっかり乗れるワゴンの広さ

・使い勝手がよく仲間や家族とコミュニケーションが取りやすいセパレートシート

・シーンを選ばずに使い倒せるラゲッジスペース

・SUVらしいたくましさを表現したスタイル

・路面状況に応じた走りを可能にする4WDシステム

 を兼ね備えた1台として設計されている。イグニスに対し、前後席ともヒップポイントとヘッドクリアランスを大きく広げながら、前後席間距離を155mm拡大した。

ラゲッジスペースも、後席を倒した状態で520リットル、後席を使用するため最後端にスライドさせた状態でも124リットルの容量を確保。荷室フロア下には、FFで81リットル、4WDで37リットルの、水洗い可能な大容量ラゲッジアンダーボックスを備えている。

 上級グレード「ハイブリッドMZ」にはさらに、撥水加工シートと防汚タイプラゲッジフロアを標準装備。アウトドアではつきものの濡れた靴や汚れたウェアなども気にせず載せられて、下ろしたあとには簡単に拭き取ることができるのも嬉しいポイントだ。

 パワートレインは全車とも、100馬力/150N・mを発するK10C型1リッター3気筒直噴ターボエンジンにマイルドハイブリッド、そして6速ATを組み合わせて搭載。1.5リッターNAエンジンを凌ぐ加速性能と登坂性能、そしてFF車で22.0km/L、4WD車で20.6km/L(いずれもJC08モード)の低燃費を両立させた。

 4WD車のシステムは、通常前輪のみ駆動し、滑りやすい路面では後輪にも駆動力を配分するビスカスカップリング式。アクセル開度に対するトルクの発生量を高め、エンジン回転も高めを維持する「スポーツ」と、逆にアクセル開度に対するトルクの発生量を減らし、雪道やアイスバーンでタイヤの空転を抑える「スノー」、2つの走行モードも実装している。

 滑りやすい路面での発進を容易にする「グリップコントロール」、急な下り坂で車速を7km/hに維持する「ヒルディセントコントロール」も備え、オン・オフ問わず軽快かつ安全に走れるよう仕上げている。

 予防安全装備は新型スペーシアに続き、「スズキセーフティサポート」を設定。レーダーレーザーと単眼カメラを一体化したユニットをフロントガラス上部に、加えて4つの超音波センサーをリヤバンパーに装着することで、

・衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」

・誤発進抑制機能

・車線逸脱警報機能

・ふらつき警報機能

・先行車発進お知らせ機能

・ハイビームアシスト

・後方誤発進抑制機能

・後退時ブレーキサポート

 という8つの機能を備えている。

 また、前後左右の広角カメラで自車周辺の俯瞰映像をモニターに映し出す「全方位モニター用カメラパッケージ」には「3Dビュー」を採用。離れた視点から全体を見渡せる「室外視点」と、対象物に近寄り車体を透かした形で見える「室内視点」の2種類から好みで切り替えることにより、発進時の安全確認が容易に行えるようになった。

 ハスラー以上に個性的な内外装と、イグニス以上に高い使い勝手とパフォーマンスを兼ね備えた、新ジャンルのAセグメントクロスオーバーSUV「クロスビー」の価格は約177万〜約215万円。同クラスには事実上ライバル不在の状態で、ハスラーのように大ヒットモデルへと成長するのだろうか?

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