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お得に買うなら見極めが大切! 新車セールスマンのタイプとその傾向

お得に買うなら見極めが大切! 新車セールスマンのタイプとその傾向

意外にベテランより新人のほうが値引きが早いことも

 新車販売のセールスマンといっても十人十色、購入者側がどこに重きを置くかの違いで“良いセールスマン”、“悪いセールスマン”の判断も異なってくる。ここではあくまで一般的な傾向ということでタイプ別にセールスマンの傾向を紹介していこう。

■新人セールスマン

「商談テクニックが未熟な分値引きは拡大しやすい」

 セールスマンは商談を多くこなしながら成長していくものである。たとえ契約につながらない可能性が高くとも、「新車を見に来ただけ」と言ってショールームを訪れたお客を商談テーブルに座らせ、とにかく“場数をこなす”ことで「このタイプのお客様はこうすればいい」といった、接客対応の“引き出しを多く作る”ことが自分のスキルアップにつながるのである。

  

 新人セールスマンはそれまでに販売した新車は少ないし、ましてや初回車検もきていないお客ばかりとなるので、基本的にはフリー客(先輩や上司が販売したお客ではなく、他メーカー車に乗って店を訪れるなどするお客)を相手にすることになる。商談スキルもまだまだ未熟なので、よほど“天性の才能”でもないかぎりは商談の話題は値引き交渉がメインとなってしまう。

 先輩や上司としては、いまではかなり珍しくなったフリー来店客を相手にしているので、是非契約までこぎつけたいと考えている。となると値引き拡大のスピードも早めであり、その場で契約へ持ち込みたいとも考える(フリーで初めての来店客について、その場で契約まで持ち込むことは“店パク『店頭パックンチョ』”などとも呼ばれている)。ケースによっては先輩や上司が商談に同席することもあるので、値引きが拡大するスピードも速いといえるだろう。

■女性セールスマン

「“腰かけ気分”とそうではないタイプの格差如実」

 販売実績や利益貢献(値引きをできるだけ抑える)など、わかりやすい指標をメインに人事考課されるので、男女格差が少ないことから新車販売の世界の門をたたく女性も多い。

 そのようなキャリア志向の高い女性は、いまでは表現的に不適切なのかもしれないが“男顔負け”で新車を売りまくるケースが多い。新車販売の世界では座学で教わることは、注文書や見積書の作成や受注後の書類などのまわし方ぐらいといっていいほど限定的。あとは現場で先輩や上司の商売の進め方を“目で盗む”といった職人の世界と同じといっていい状態になっている。

 そのため男女の違いなく、いまどきの若い世代は“受け身”世代なので、新車販売の世界で生きていくのはその時点でかなり難しいのも確か。基本的にこの世界で男女差などはなく、自分がどれだけ能動的に動くことができるかが大切になってくる。

 ただ女性セールスマンのなかには稀ではあるが、“腰かけ気分”で業務に接しているひともいる。こうなると、新車セールスマンの仕事とは何かというものを見失いがちとなる。新車販売業務のほかの雑務ばかりにかまけた結果、最終的には一般事務職に配置換えされるケースもあるとのことだ。

■中堅スタッフ

「独自裁量範囲も広く、もっとも行動的である」

 “馴染み客”もボチボチ目立ってくると、いよいよ“中堅”と呼ばれるポジションになってくる。新車販売の世界だけの話ではないかもしれないが、店長などの管理職ポストの空きがなかなか発生しないこともあり、役職がつかない中堅スタッフも目立ってきている。

 ただこのようなスタッフからは、「管理職になっても目立って給料が上がるわけではないし、業務が増えるだけ」として、意外と現状への不満(出世が遅い)は少ないようにも見える。

 経験を積んでいるだけに、経験に基づいて「ここまではいけるかな」とアタリをつけながら商談を進め、頃合いをみて(契約まで持ち込めそうだと判断)正式に上司に値引き条件の決裁を仰いだりするので、商談もリズミカルに進んでいく。ベテランほど馴染み客を抱えているわけでもないので、店頭で新規来店客の応対することも多いので、商談相手としては新人などよりリスクは少なく、無難な選択ともいえる。

■ベテラン

「馴染みメインで、値引き拡大は意外に遅いことも」

 係長や課長などの役職がつくことも珍しくないベテランセールスマンは、いまでは目標販売台数と言われることの多い“ノルマ”もしっかり課されるプレイングマネージャーであることがほとんど。

 長年の販売経験のなかで培った馴染み客の数は膨大で、基本的にはこの馴染み客への代替え促進及び馴染み客からの新車購入希望客の紹介などが日常の販売活動のメインとなっている。業界全体が羽振りの良かったころは、馴染み客からの新車に代替えしたいという話や、新車を欲しがっている知人の情報などの電話がガンガンかかってきていたので、“テレフォンショッピング”などともいわれていた。

 いまでもきちっと馴染み客を管理しているので、お客のタイプ(長く乗るか、短期間で代替えをするかなど)によって、時期を計って代替え促進を行っていくのが営業活動の中心となる。お客それぞれの新車購入を決めるポイントなどは把握しているので、その意味では掛け値なしの好条件の見積書から商談をスタートするので、値引き交渉なども“最後の数字合わせ”程度で契約になることがほとんど。そのため、たまたまベテランしか店頭にいなかったり、馴染み客の代替えや紹介が少ない時に店頭に立って、新規来店客と商談することもあるのだが、ガチンコ勝負での値引き交渉は普段はほとんど行っていないので、意外なほど値引き拡大スピードが遅いこともある。

 また経験が長いだけに、値引きが多いように見せる(値引きを膨らませる)といった、表現はあまり良くないが“騙しのテクニック”も豊富に持っているので、その点も注意が必要となるだろう。

 なお店長や営業所長といわれる立場のひとは、基本的にマネージング業務に専念しているので、単独で商談をしてくることはない。平日で販売スタッフが誰もいない時などは稀に接客対応することもある。店舗の管理責任者なので当然収益管理も行っており、立場上自ら値引き拡大に積極的な姿勢は見せられないから、「店長と直接商談したい」などとする戦術はあまりおすすめできない。

 以上、あくまでも一般的な各タイプの傾向を紹介した。もちろん新人でもベテラン顔負けの商売をするスタッフもいれば、反対のケースもある。新車購入ではたまたまディーラーを訪れたときに最初に応対してくれたセールスマンと商談を進めるケースが多く、こちらから「ベテランをお願いします」などと指名することはなかなか難しい。

 今回紹介した一般的な傾向を参考に、自分の正面にいるスタッフを「なんか一般論と違うタイプだな」などと分析できれば、少しでも商談を有利に運ぶことができるかもしれないので、是非参考にしてもらいたい。

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