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なぜ呼称が変わった? いまクルマの「エンジン」が「ICE」と呼ばれるワケ (1/2ページ)

なぜ呼称が変わった? いまクルマの「エンジン」が「ICE」と呼ばれるワケ

この記事をまとめると

◼︎「ICE」は「インターナル・コンバッション・エンジン」の略

◼︎日本政府は2050年を目処にハイブリッド車以上の電動車のみの製造・販売を目指すと表明

◼︎業界では「2050年でも主流はハイブリッド車とPHEV」になるだろうという見解が多い

ICEはインターナル・コンバッション・エンジンの略称

 最近、モータースポーツ業界や一部の自動車メディアでICEという言葉をよく目にするようになってきた。ICEとは、インターナル・コンバッション・エンジンの略称で、日本語では内燃機関と呼ばれる。ガソリンやディーゼル燃料などシリンダー内で燃料を燃焼させる、一般的なエンジンを指す。

 このICEという言葉は、2000年代に入ってから自動車メーカーのエンジニアらで作る業界団体・自動車技術会で発表される論文や、世界各地で開催されるモビリティ関連イベントのプレゼンテーション等で使われるシーンが増えていった印象がある。

 背景にあるのは当然、パワートレインの電動化の流れだ。電動車の本格普及が始まったきっかけは、あえて説明することもないが、プリウスの存在にほかならない。プリウスが世界に広めたハイブリッドという考え方は、2つの動力システムを組み合わせることを意味し、プリウスではガソリンエンジンというICEと電動モーターとを組み合わせた。

 だが、一般的にハイブリッド車はHEV(ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル)と呼ばれるため、ハイブリッド車の一部がICEであるとは表現しないように思える。同じく、外部からの充電が可能なハイブリッド車であるPHEV(プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル)でも同様だ。

 HEV(トヨタでは社内的にHV)とPHEV(PHV)は、あくまでも電動車であり、ICEは電動アシストしない内燃機関を指すことが多い。学術的な解釈と、メーカーやメディアでのマーケティング用語としての、ICEへの対応が違うように思える。

 電動化普及の流れは今後、さらに加速して、近年中に純粋なICEは世のなかから消えてしまうのだろうか?

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