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「CO2削減」「電動化」が叫ばれる時代なのに欧州車が「激速モデル」を揃えるワケ (2/2ページ)

「CO2削減」「電動化」が叫ばれる時代なのに欧州車が「激速モデル」を揃えるワケ

BMW Mはフルラインアップ化されている

 欧州車、とりわけドイツ車は”ほぼ全車種”で高性能モデルをラインアップしている。たとえば、BMW。乗用車としては、小型エントリーモデルの1シリーズから、最上級セダンの7シリーズと最上級クーペの8シリーズ、そしてSUVのX2、X3、X4、X5、X6、X7までそれぞれで最上級モデルにハイパフォーマンス系がある。なぜ、ここまでするのか? その説明には、BMWの事業展開の歴史を振り返る必要がある。

 時計の針を少し戻すと、BMWといえば「M3」がメーカー系パフォーマンスカーのベンチマークだった時代があった。M3の存在感はいま(2020年)でも大きいが、90年代から2000年代半ば頃まで、M3の存在は強烈だった。こうしたM3による商品イメージがM5に転じた。

 一方で、BMWモデルが中核モデルの3シリーズ、5シリーズ、7シリーズという3つの軸足から、より手軽なエントリーモデルの拡張。さらには、3~7シリーズの中間として偶数シリーズ、およびクロスオーバーとしてのXが加わったことで、劇的にモデル数が増えた。

 こうしたなかで、BMWとしてのアイデンティティを明確にするため、Mのビジネスモデルをフル活用している。このような考え方は、基本的にメルセデス・ベンツのAMGでも感じ取れるが、AMGの場合はエクステリア・インテリアの上級化に対してもAMGブランドをうまく活用してきた。

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