WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

売却時にショック! 新車からの「値落ち」が大きなクルマとは?

売却時にショック! 新車からの「値落ち」が大きなクルマとは?

リセールバリューは中古車の流通量や人気に左右される

 リセールバリュー(クルマを売却したり中古車市場で販売される時の価値)は、主にその車種の人気で決まる。人気車は中古車を欲しがる人も多いから、高値で売買されて、不人気車は下がる。

 ただし中古車の流通量も関係する。たとえばトヨタ・ランドクルーザー(200)の場合、2020年の新車登録台数は1か月平均で163台に留まった(プラドを除く)。中古車市場の流通量も少ないが、新車価格が高いから、中古車の購入を希望するユーザーも多い。しかもランドクルーザーは海外の人気も高く、中古車輸出も活発だから、国内の車両を奪い合う状態になった。希少性によって中古車価格がつり上がり、中古車販売店では「購入後3年程度のランドクルーザーなら、新車価格の70%前後で買い取れる」という。

 つまり中古車の需要に対して供給量が少なければ、リセールバリューは高まる。逆に一般的に人気の高い車種でも、新車の販売台数も多く、中古車市場の流通量も豊富であればリセールバリューは高まらない。

 リセールバリューがとくに低いのは、多くの人たちが敬遠する車種だ。たとえば電気自動車。日本では総世帯数の約40%がマンションなどの集合住宅に住むから、自宅に充電設備を設置しにくい。都市部はとくにこの傾向が強く、集合住宅の比率も60%を超えるから、ますます電気自動車を持ちにくい。

 一方、一戸建て比率の高い地域は、充電設備を設置しやすい半面、1人に1台の割合で複数の車両を所有する世帯が多い。そうなると1台当たりの価格が安い軽自動車が好まれ、電気自動車は選ばれにくい。以上のような事情があるため、電気自動車のリセールバリューは、以前に比べると向上したものの良好とはいい難い。

 対策として残価設定ローンの利用が挙げられる。日産リーフGグレードの場合、規定どおりの使い方であれば、残価は4年後で新車時の26%(2020年度の補助金を含めると29%)になる。好条件ではないが、新車価格の約70%で4年間使うことが可能だ。資産価値をある程度は維持できる。

 輸入車は、昔はリセールバリューが高いといわれたが、今は状況が変わった。値引きが拡大した車種もあり、とくに次期型の登場が迫ると、新車価格の15%程度を値引きすることもある。新車価格が600万円なら、値引き額は90万円に達する。

 高額な値引きを引き出して購入すると、リセールバリューは連動して下がる。日本車の値引き額は昔に比べて引き締められているが、輸入車は金額が多く、その分だけ売却時は不利になる。

 多くのユーザーが価値を把握しにくい車種もリセールバリューが下がる。たとえばミドルサイズセダンの輸入車に、高性能エンジンを搭載したスポーティグレードは、一般ユーザーが想像する以上に新車価格が高い。そうなると中古車になったときには価格の下落が大きく、リセールバリューも悪化する。多くのユーザーにとって馴染みの薄い輸入ブランドにも、同様の傾向が見られる。

 要はマニアックなクルマは、概してリセールバリューが下がりやすい。新車を買ったら短期間で売却せずに、長く使うのがコツだ。フルモデルチェンジ直前の車種を大幅値引きで買ったときも、長く使えばリセールバリューの不利を抑えられる。

 逆に中古車を安く買いたいユーザーは「不人気車の不人気色」を選ぶのが鉄則だ。一般ユーザーが価値を把握しにくいマニアックな車種も中古車になると価格を下げるから購入しやすい。

 この特性を利用すると、購入する車種に応じて、新車と中古車をオトクに使い分けることもできる。ランドクルーザーのようにリセールバリューが下がりにくい車種は、新車を買って資産価値を保全する。短期間でリセールバリューの下がるマニアックな車種は、安価になった中古車を購入する。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了