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超重要書類「完成検査終了証」! 完成したての新車が一定期間車検なしでナンバーが付けられる仕組みを解説 (1/2ページ)

超重要書類「完成検査終了証」! 完成したての新車が一定期間車検なしでナンバーが付けられる仕組みを解説

完成検査は70年の歴史を持つ

 日本の公道を走るためには、少なくとも保安基準を満たしていることを証明する「車検」をクリアしている必要がある。その検査業務を担っているのが、各地の運輸支局や検査登録事務所で、かつての組織名を用いて、いまでも「陸運局」と総称されていたりする。ここでは陸運局という通称を使って話を進めていこう。

 ユーザー車検などでいわゆる陸運局を訪れたことがあればわかるだろうが、その検査キャパシティは意外に少なく、ここですべてのクルマの車検を行なっているとは思えない。それは事実で、多くの車検検査は「指定工場」によって実施されている。大きめのディーラーに併設されている整備工場は指定工場と認められていることが多く、いちいち陸運局に持ち込まずに車検を通すことができるようになっている。

 では、クルマが最初にナンバーを付けるときはどうしているのだろうか? 登録車の場合、なんらかの方法で新車を陸運局に運び、保安基準を満たしていることを検査で確認した上で、ナンバーをつけ封印を取り付けてもらうというのが本来のやり方だ。これを新規検査というが、この方法では陸運局のキャパをオーバーしてしまうことは火を見るよりも明らかだ。

 そのため、ナンバーを取得したのち、ディーラーでナンバーを取り付けて、陸運局に代わって封印をすることが認められている。その際に重要な書類が「完成検査終了証」である。

 これは自動車型式指定制度によって大量生産された自動車において、完成車メーカー自身が保安基準を満たしているかを検査するというもので、保安基準を満たしていることを証明するのが「完成検査終了証」だ。

 そして、完成検査終了証の提出をもって現車の新規検査を省略することができる。こうした仕組みは、道路運送車両法によってしっかりと定められているもので、その歴史は1951年まで遡ることができる。先人たちが、しっかりと検査して終了証を出すことで、その仕組みの信頼性を高めてきた方法でもある。

 そうした信頼関係を壊してしまったのが、数年前にいくつかの完成車メーカーにおいて発覚した完成検査不正であることは記憶に新しい。

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