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EVのバッテリーを交換式にすれば充電待ち時間なくなるじゃん! が「画期的アイディア」とならないワケ (1/2ページ)

EVのバッテリーを交換式にすれば充電待ち時間なくなるじゃん! が「画期的アイディア」とならないワケ

この記事をまとめると

■2輪車ではカートリッジ式バッテリーが実用化されている

■EVのバッテリーはかなりの大きさと数百kgの重量があるため、カートリッジ式にするのは困難だ

■プラットフォームの共通化を図れば実現の可能性はあるが、メーカーの個性が失われる可能性がある

カートリッジ式バッテリーの交換なら充電の待ち時間が必要ない

 2輪車の電動化において、車載バッテリーをカートリッジ化し、電気を使い終えたら交換する方式が、2輪車メーカーの垣根を越えて実施されている。そこで、電気自動車(EV)のバッテリーも交換式にすれば充電時間のような長時間待たなくてもいいのではないかという声は、昔から消えない。しかし、それはまず難しいだろう。

 2輪車のバッテリーパックなら交換の際に人力で持てなくはないだろうが、EVの車載バッテリーは、数百kgはする。とても人が持てる重さではなく、フォークリフトのような運搬用車両か、脱着装置がなければ実現不可能だ。

 なおかつ、一畳ほどの寸法のバッテリーケースを拠点に置いておく場所も必要になる。積み上げるとしても、数百kgのバッテリーを何段も積み上げるための頑丈な棚を設置しなければならない。倉庫であれば、詰め込むこともできるだろうが、充電の済んだバッテリーを次々に来客のEVへ交換するとなれば、導線を考慮した置き場所の設計が必要になり、それに応じた敷地面積もいる。地下に保管することも考えられるが、地下の設備は工事費が高額になる。

 次に、来客数が増えれば増えるほど、取り出したバッテリーの充電が必要であり、急速充電を次々に行わなければ、顧客を待たせる結果となってしまう。バッテリー交換で待つなら、空いている充電器で充電するのと大差なくなるだろう。そのバッテリー交換拠点では、膨大な電力を消費するので、電気代の基本契約が工場並みの高額になる可能性があり、急速充電に際しての冷却機能への投資も追加になってくるのではないか。

 さらには、あらゆる車種に適合した統一規格のバッテリーケースでなければならない。また、そのバッテリー性能も、優劣があってはならない。実際、2輪の交換用バッテリーは、統一規格されたものとなっている。

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