
この記事をまとめると
■大型トラックの車両総重量は2万kgにも及ぶ
■荷物を積んだトラックは急に止まれない
■トラックの前に割り込む行為の危険性について解説
トラックの前に強引に割り込んでくる乗用車が多い
「クルマは急に止まれない」。これは、旧くから存在する日本の交通安全の標語。走行している自動車はすぐに止まれないため、車道に飛び出さないようにしましょうという意味が込められた、歩行者や自転車に乗る人向けの言葉である。
それと同様に、自動車に乗るドライバーにも意識してほしいものがある。それは、「荷物を積んだトラックは急に止まれない」というものだ。語呂の悪さでもおわかりかと思うが、もちろんそのような標語は存在しない。しかし、とても重要なことでもある。
一般的な普通乗用車の車両総重量が5000kg未満であるのに対し、大型トラックの車両総重量は4倍の2万kgにもなるのだが、車両総重量が重ければ重いほど勢いが付き、ブレーキは利かなくなる。なにを急いでいるかはしらないが、トラックの前に無理をしてまで入ろうとする乗用車がやけに多いのだ。
加速が鈍く、前方の様子が確認しづらい。そのような理由からトラックの後ろにつくことを嫌うドライバーが多いのもうなずけるが、強引に割り込んだことで追突されてしまったら元も子もない。そして、そのような行為がトラックドライバーを苛立たせ、あおり運転や交通トラブルを招いてしまいかねないのである。
さらに、トラックにはさまざまな荷物が積み込まれている。そのため、急ブレーキによる荷崩れや事故の衝撃で積荷が破損してしまうこともある。なかには精密機械を積載しているケースもあるのだが、その場合の賠償額は計り知れない。基本的には追突した側の前方不注意が過失判断の対象となるため、トラックドライバーは割り込んでくる乗用車に頭を悩ませているのだ。