WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

英国には専門店にオーナーズクラブまで存在! 人気ドラマでもお馴染み「日産フィガロ」は中身までシッカリ手が入った本物の名車だった (2/2ページ)

英国には専門店にオーナーズクラブまで存在! 人気ドラマでもお馴染み「日産フィガロ」は中身までシッカリ手が入った本物の名車だった

この記事をまとめると

■1991年に限定2万台で発売された日産の名作パイクカー「フィガロ」が今なお国内外で人気

■レトロなデザインや季節ごとのボディカラーなど、独自性とこだわりにあふれた仕様が魅力

■中古市場ではプレミア価格がつく一方、ミニカーやプラモデルで楽しむファンも多い

現在まで大人気の日産製パイクカーの筆頭

 いまから34年も前に発売された小型車なのに、いまだに現役で有名、ドラマ「相棒」の杉下右京の愛車として、またバナナマンの「せっかくグルメ!!」で日村さんが乗るクルマとしても知られるのが、日産フィガロだ。

 フィガロはBe-1、パオ、エスカルゴにつづく日産パイクカーシリーズの第4弾として1991年に発売。初代マーチ(K10型)をベースに仕立てられた、レトロ感満載の2ドア4座のコンパーチブルクーペである。

 その成り立ちは、1989年の東京モーターショーに参考出品された際に大反響を受けたのをきっかけに、2年後の1991年にパイクカーシリーズとして市販化。当初は8000台の限定生産だったものの、購入希望者の多さから最終的には限定2万台の生産、抽選販売となっている。

 恋愛至上主義を謳った「東京ヌーベルバーグ」のコンセプトや、フィガロをフィーチャーした短編オムニバス映画「フィガロストーリー」の制作・公開など、異例のマーケティング活動を展開した力作でもあった。1991年10月にはグッドデザイン賞も受賞した。

 ユニークなのは車両コンセプトやデザインだけではない。ボディカラーを季節に対応させ、春の「エメラルド」、夏の「ペールアクア」、秋の「トパーズミスト」、冬の「ラピスグレイ」の4色を設定。こうしたところにも、当時パイクカーの絶大なる人気もあってイケイケだった日産独自のアイディアやこだわりが見て取れる。

 専用のオープントップ機構は開閉時の安全性に配慮した2重ロックを備え、幌はトランクスペースにすっきり格納されるため、フルオープン時にも小粋でエレガントなスタイリングがまったく損なわれないように工夫されていた。

 インテリアは白の本革シート(一部合皮)、メーター類までフィガロ専用。ベース車のパーツをあちこちに使いまわしたクルマとは一線を画すオリジナリティのもち主なのである。

 ボディサイズは、全長3740×全幅1630×全高1365mm。ホイールベース2300mm。トレッドは前1350mm、後1335mm。車重810kg。

 パワーユニットは、マーチから受け継いだ987cc直4OHCターボ(MA10ET型)で76馬力、106Nmを発生。サスペンション形式はフロントがストラット、リヤが4リンク。タイヤは165/70R12というサイズだった。マーチターボに対するオープン化による車重増に対処するため、フロントフェンダーを熱可塑性樹脂にするなどの軽量化まで図られたほどの凝りようもフィガロならではだ。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了