
この記事をまとめると
■常日頃から私たちの生活を支える宅配ドライバー
■今回は筆者が軽バン配送に挑戦してみた
■中学校に10日間で約3万部の資料を配達した
荷物の重さに苦戦!
いまやなくてならない宅配業。大手のECサイトなどでオーダーした荷物が、早いと当日に届くのも多くの宅配ドライバーが働いてくれているおかげだ。その証拠に、住宅街では時間問わず軽バンの稼働している姿を見ることができる。
こうした軽配送は、熟練者になると1日で200件程度をこなすことも可能だというが、その反面、初心者の場合は1日で50件にも届かないことがあるそうだ。そんな状況のなかで、配送の仕事を手伝う機会に恵まれたのでリポートしてみたいと思う。
今回の仕事は「公立中学校に約3万部の資料を10日間で配達する」だ。なお、配布する学校の数は180校。1日あたり18校をまわれば完了できる計算だが、やはりそう簡単にはいかなかった。
軽バンに積み込める荷物の量は、最大積載量350kgから逆算すると1回で2000冊が限界だ。それに加えて、中学校ごとに配布する冊数は同じではなく、少ないところで20冊、多い中学だと350冊といったように差があるため、配布する前日までに配布する順番と配る量を計算してクルマに積み込む必要がある。
今回手伝った中学校への資料配送には一般的な軽バン配送と違う部分がいくつかある。まず、届け先が学校のため不在もち帰りがないということ。それと、公立中学校は所在地がわかりやすいのも特徴だ。
これが一般配送だと、不在で訪問回数が増えたり、住所がわからなくて時間を取られるといったこともあるが、中学校ならばそういった心配がないので、初心者でも対応できるのがうれしいところ。さらに、一番効率がいいルートを教えてくれるアプリもあるため、始める前は簡単な仕事だと思っていたのだが、いざ始めて見るとそんなに単純な仕事ではないことにすぐ気が付くことになった。
最初に「これは大変だ」と思ったのが荷物の重さ。紙は荷物のなかでも重い部類に入る。A4コピー用紙をまとめて持ったことがある人ならわかるだろうが、1束で3kgほどになる。そして、今回配布する資料の1束も同じくらいの重量だ。1束が30冊梱包なので、100冊を配布する場合、約10kgをもっていくことになる。たかが10kgでしょ、と思うかもしれないが問題はそこではない。
当たり前だが、中学校には必ず職員室と校庭がある。そして裏門と正門もある。配布する資料は進学指導用だ。ということは、必然的に職員室もしくは用務員室に届けるのだが、学校の作りによって、軽バンから職員室までの距離がとんでもなく離れている場合がある。
なかでもやっかいなのが、搬入口が校庭の裏門というケースだ。校内にクルマは入れられないので、裏門に駐車して資料を抱える。その後、広大な校庭の端っこをひたすら歩き職員室へ向かうのだ。