
この記事をまとめると
■荷物を運ぶときに使用されるパレットなくして物流は成り立たない
■パレットは用途によって素材や形が異なる
■パレットの種類について詳しく解説
パレットの素材や形は多岐に渡る
パレットは荷物を置くための面を持つ台のことで、物流においてはなくてはならない存在といえる。よく「縁の下の力もち」と呼ばれるが、その役目を知ると縁の下どころか、パレットなくして物流は成り立たないほどの重要なアイテムということがわかる。
そんなパレットは、倉庫以外でも目にする機会が多いため、誰もがなんとなく形や役目を知っているだろうが、用途によって素材や形は多岐に渡るのはあまり知られていない。そこで今回はパレットについて、その詳細を探ってみたいと思う。
物流の歴史を見ると、荷物を手積みすることが主流だった時期を経て、パレットの利用で作業効率が格段にアップしていった。この荷物をパレットに積載して、輸送や保管を行う物流の技術のことを「パレチゼーション」と呼ぶが、これは省力化の効果を物流業界にもたらした上に、荷物の破損や傷みが減るといった数多くのメリットを生み出した。
一般社団法人日本パレット協会の調査によると、パレットを使わない場合の作業時間が平均90〜120分のところ、パレットを使うと平均30分まで短縮できるという。
では、物流業界を支えるパレットの数々を紹介していこう。
ひとくちにパレットといっても、使われている素材もたくさんある。そのなかでも一番よく見かけるのは「プラスチックパレット」だろう。プラスチックパレットの素材は、ポリプロピレンとポリエチレンが主流で、軽さと強度を併せもっている。また着色が自由で、耐水性、衛生的に優れているが貨物が滑りやすいという一面もある。プラスチック素材のため再利用しやすいのもポイントだ。
次に紹介するのは「木製パレット」。
価格が安いうえに荷物が滑りにくく、強度や耐荷重性能にも優れている。また、自由なサイズで製作できることや、高温・低温の環境下でも材質に変化が起きず、結露もしないのが特徴といえる。
その一方で、木材のため虫が発生するリスクや、木のささくれで貨物が破損する可能性もある。
「段ボールパレット」は価格が安いため、木製やプラスチック製パレットの供給不足や使用後の廃棄問題を解決する素材として注目されている。段ボールでできているため片手で持てるほど軽く、作業者の負担を軽減できるのも特徴のひとつ。ただし、耐久性は高くないので繰り返しの利用は難しく、重量物にも不向きである。しかし、最近では5t以上の耐荷重を誇る段ボールパレットも登場しているが値段は通常の段ボールパレットよりも高価になってしまう。
鋼鉄製やアルミ製など、金属製のものを「金属パレット」や「スチールパレット」と呼ぶ。強度が強く耐久性もあるがパレット自体が重いのが難点。