
この記事をまとめると
■右直事故の一種にサンキュー事故という現象がある
■右折車が「ありがとう(サンキュー)」と返事をして右折したときに起こる
■譲ってくれたことに対して焦って対応すると発生する傾向にある
誰にでも起こりうるサンキュー事故とは
交差点などを右折しようとしたとき、対向直進車がパッシングなどにより「お先にどうぞ」と道を譲ってくれたという経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。また、対向右折車に道を譲ったことがある方もいるでしょう。この思いやりある行動が事故につながってしまう可能性があります。
それが「サンキュー事故」です。今回は、サンキュー事故の概要、サンキュー事故を防ぐ方法などを解説します。
「サンキュー事故」という名の右直事故
サンキュー事故は、直進車が交差点などを右折しようとしているクルマに道を譲るために「お先にどうぞ」と合図し、右折車が「ありがとう(サンキュー)」と返事をして右折したときに、直進車の陰から二輪車(バイクや自転車など)が出てきて、右折するクルマと衝突するという事故です。
道を譲ってもらえて“ありがたい”と思っているときに発生する右直事故であることから「サンキュー事故」といわれています。サンキュー事故が発生してしまう原因は、右折車の安全確認不足といってしまえばそれまでですが、じつは右折するクルマを運転しているドライバーの心理状態も大きく関係している事故なのです。
道を譲られた右折車は、道を譲ってくれたドライバーに感謝するとともに、「早く右折して直進車に迷惑をかけないようにしなければ!」という心理になります。このような心理状態になると、右折することだけに集中してしまい、直進車の両サイドからすり抜けてくる二輪車などを見落としてしまうのです。
つまり、サンキュー事故は、早く右折しなければならないという焦り(心理状態)も原因のひとつといえる事故です。
一方、道を譲った直進車のドライバーは、対向右折車が右折するまで待つつもりで道を譲っています。また、バイクや自転車などが直進車の横をすり抜けてきたために、右折車が直進車の目の前で止まったとしても、道を譲った直進車のドライバーは「バイクや自転車がいるなら仕方ない。待つか」となるでしょう。
右直事故のひとつであるサンキュー事故を防ぐ方法
ここまで解説してきたように、サンキュー事故の関係者である道を譲った直進車と道を譲られた右折車では、ドライバーの心理状態が異なります。もし、道を譲る側と道を譲られる側がお互いの心理状態をわかっていれば、サンキュー事故を減少させることができるでしょう。
とはいえ、右折車は「なるべく早く行かなければ」と焦ってしまう可能性が高いです。この焦りという心理状態からサンキュー事故をはじめとする右直事故を起こしてしまうと、さらに多くの交通に迷惑がかかります。
そのため、サンキュー事故などの右直事故を防ぐためには、焦っていたり急いでいたりしても、クルマの隙間から二輪車(バイクや自転車など)が出てこないかということをしっかり確認することが重要です。
三者が嫌な思いをしないために
サンキュー事故は、道を譲った直進のドライバー、道を譲られて右折するドライバー、クルマの陰から直進してくる二輪車(バイクや自転車など)の三者が絡む事故です。
三者が嫌な思いをしないためにも、道を譲られて右折するクルマは、対向直進車だけでなく、直進車の両サイドから出てくる二輪車にも気をつけ、しっかりと安全確認をした上で右折するようにしましょう。