
この記事をまとめると
■オービスには複数種類が存在する
■設置や維持にコストがかかることから最近は移動式が主流になりつつある
■老朽化したオービスも速度抑制のためにあえて設置したままにして稼働してない場合もある
オービスとひと口にいっても種類が豊富
オービスとは、もともとアメリカのボーイング社が開発した速度取締機の製品名で、ラテン語で「眼」を意味する「ORBIS」が由来で、いまでは自動速度違反取締装置全般の通称となっている。
こうしたオービス、じつは設置済みの機材のうち半数以上がすでに耐用年数を超えており、新規設置の費用も2000万円以上と高価で、維持管理費のコストも高いため、年々撤去される数が増えているとのこと。
また、警察庁交通局交通の資料によると、速度取り締まり件数のうち自動取締装置による割合は、わずか3%しかないらしい。しかし、まだ全国におおよそ400個のオービスがあり、そのうち100以上が移動式オービスといわれているので、油断は大敵。
そこで今回は、オービスの種類を改めて確認しておこう。
●固定式オービス
・LHシステム
道路に埋め込まれたループコイルで速度を計測するタイプで、高速道路などでよく見かけるオービス。カメラとフラッシュが入った小型の四角い箱がふたつ並んでいるのが特徴。
・Hシステム
LHシステムとともにメジャーなオービス。道路上部の大きな四角いレーダーを設置し、それで速度を計測するタイプ。
・ループコイル式
路面に磁場を出すループコイルを3本等間隔に埋め込んで、コイルとコイルの間を通過する時間から車両の速度を計測するタイプ。
かなり古いものが多いので、徐々に姿を消している。
・レーダー式
走ってくる車両に対してレーダーを照射し、速度を計測するタイプ。1番古いタイプなので、絶滅危惧種だと思っていたら、最近、従来のレーダー探知機では受信できないレーダー波(Kバンド)を使った、小型のレーダー式オービスもチラホラ出てきたので要注意。
・レーザー式
固定式オービスの最新版がこのタイプ。レーザーを走行車両に照射して速度を測定して取り締まるタイプ。見た目はLHシステムなどによく似ている。
●移動式(可搬式)オービス
狭い場所でも三脚に小型のカメラを載せて設置でき、警察官が1~2人で持ち運びできるタイプ。すでに全国47都道府県に1台以上導入されている。
移動式オービスにも、「Kバンド」周波数帯域を利用したレーダー式のものと、レーザー式のものがある。
●半固定式オービス
オービスの土台だけあらかじめ複数個所に設置しておき、カメラ本体は不定期に移動させて取り締まるタイプ。取り締まり方法はレーザー式が基本だ。
※画像はイメージ
●ダミー
そのほか、新潟県警や佐賀県警、北海道警などで、DIYで作ったダミー(ハリボテ)の可搬式オービス(もどき)で、取り締まりではなくスピード違反対策を実施したという例もある。
また、老朽化してすでに稼働していないオービスを撤去せずに、スピード超過の抑止効果を狙って、そのまま置いてあるケースも少なくない。
※画像はイメージ