
この記事をまとめると
■道路交通法では乗車設備のない場所への乗車は禁止
■荷台への乗車も条件付きで違反対象となるケースがある
■サンシェードなどで視界を妨げることも乗車積載方法違反にあたる場合がある
クルマは乗車のために設備された場所以外の場所に乗ることはできない
2025年5月、交通事故の相手をボンネットに乗せて走行し、ボンネットにしがみついていた人がケガをするという事故が起きました。アクション映画などでも見ることがありますが、当然このような行為は交通違反となります。では、クルマに乗る際に乗員が乗るべき場所はどこなのでしょうか。
道路交通法 第55条「乗車又は積載の方法」には、以下のように定められています。
車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない。
(道路交通法 第55条「乗車又は積載の方法」より一部抜粋)
上記の条文からも、基本的に座席以外に人を乗せることができないことがわかります。もし、座席以外の場所に人を乗せていた場合は「乗車積載方法違反」となり、違反点数1点、反則金6000円(普通車)となります。
なお、道路交通法 第55条には、「ただし」という例外の文があります。
ただし、もっぱら貨物を運搬する構造の自動車(いわゆるトラックなどの貨物自動車)で貨物を積載しているものにあっては、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる
トラックの荷台に載せた荷物の見張りのためであれば、必要最低限の人を荷台に乗せることができるということです。なお、必要以上の人数を乗せたり、貨物がしっかりと固定されている(見張りの必要がない)のに見張りの人を荷台に乗せたりすると交通違反となります。
もし、荷物の見張りのために人を乗せなければならないときは、一度警察に相談し、荷台に人を乗せてよいか確認しておくと安心です。
また、荷台に人を乗せて運転するときは普段以上に慎重な運転を心がけ、座席の乗員だけでなく、荷台にいる人も事故に遭わないよう、気を遣いながら運転しましょう。
ルーフやボンネットは乗車するための設備ではないため人は乗れない
ここまで解説してきたとおり、乗員は原則として座席以外に乗ることはできません。そのため、冒頭で述べた「ボンネットに人を乗せて走行する」という行為は交通違反となります。また、ルーフに人を乗せるのも同様の交通違反です。
そのため、映画やドラマなどで見ることがあるボンネットやルーフにしがみついて走行するシーンは、一般道で再現することはできません。
そのほかにも「乗車積載方法違反」になる可能性がある行為
座席以外に人を乗せた場合に「乗車積載方法違反」となるのは、先ほど解説したとおりです。じつは、乗車方法以外にも「乗車積載方法違反」になる行為があります。
たとえば、運転席や助手席の窓にカーテンを取り付けたり、吸盤タイプのサンシェードを貼り付けたり、タオルを窓に挟み込んでサンシェード代わりにしたりする行為も、乗車積載方法違反として取り締まられることがあります。
つまり、運転席と助手席の窓およびフロントガラスの視界を妨げる物を取り付けたり、貼り付けたりするのは交通違反ということです。
日差しが強いときにカーテンやサンシェード、タオルなどを運転席の窓に取り付けたくなる気もちは理解できますが、視界の妨げになるため、カーテン・サンシェード・タオルなどを運転席・助手席の窓とフロントガラスに付けることがないようにしてください。