
この記事をまとめると
■新型ムーヴ最大のウリはムーヴ初のスライドドアの採用だ
■走りの方面に味付けをしたモデルとなっている
■ムーヴキャンバスでもタントでもカバーできない領域を狙っている
タントもキャンバスもあるのにムーヴはどこの層を狙ってる?
山下達郎氏がこのクルマのために書き下ろした新曲、「MOVE ON」ともに、新型ムーヴのCMが毎日テレビから聞こえてくる今日このごろ。
クルマに興味がない人からしたらそれだけなのだが、ちょっとでもクルマが好き、あるいはCMなどに触発されて購入を検討している人にとって、ダイハツのラインアップを見ると、とあることが気になるのではないだろうか。
それが、ムーヴの立ち位置だ。なぜなら、ムーヴより車内が広く、ピラーレスのスライドドアが大好評のタントがあり、可愛いルックスが男女ともに好評なムーヴキャンバスがすでに存在し、どちらも人気を博しているのは承知のとおり。今までのタントはスイングドアだったのでそこで差別化できていたが、ここにきてスライドドアを採用してしまったのだから、「屋根が特別高くもなければ、広さも軽規格。どこを狙ってる?」となるのも不思議ではない。
些細な問題といえば些細な問題だが、気になったら聞かなければならないのがこの仕事。早速関係者に聞いてみた。
まずは単刀直入に、「新型ムーヴはどこの層を狙ったクルマなんですか?」と問う。
すると、「先に出ているキャンバスは、見てのとおり『カワイイ』を追求したクルマであり、あの雰囲気ですから、乗り心地やユーティリティを重視しています。保温できるカップホルダーを採用する点なんかもいい例ですね。ムーヴにはないですから」と語る。
「では、タントとの棲みわけは?」となるのだが、この点に関しては、「タントは子育て世代を狙ったスーパーハイト軽になります。車内は広く、年齢層も低め(20〜30代)に設定しています」。
つまり、新型ムーヴは、そのどちらにも刺さらない層へ向けたモデルということになる。「可愛さ重視ではない」、「子育て世代でもない」……となると、その多くは子育てが落ち着いた層や、ひとりで使うことが多い人たちとなる。ダイハツが発表時に掲げたムーヴのユーザー層にドンピシャというわけだ。