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亡き息子の愛車を学生たちが4年かけてフルレストア! 奇跡の復活を遂げたS130Zの感動ストーリーに会場中が泣いた (1/2ページ)

亡き息子の愛車を学生たちが4年かけてフルレストア! 奇跡の復活を遂げたS130Zの感動ストーリーに会場中が泣いた

この記事をまとめると

■富士スピードウェイにて「DUNLOP オールフェアレディZミーティング2025」を開催

■日産自動車大学校がS130型のフェアレディZをレストアしダンロップより表彰された

■使えるパーツはそのまま再利用するなどして本格的なレストアが施された

学生たちが往年の名車をレストア!

 2025年5月5日、静岡県の富士スピードウェイで開催された「DUNLOP オールフェアレディZミーティング2025」。イベントに招待された特別ゲストたちがそれぞれ会場内から「これだ!」と感じた1台を選び、各賞を与えるのだが、ダンロップのタイヤ事業本部 企画本部 グローバルマーケティング部に所属する宇野弘基さんが選んだダンロップ賞は、日産自動車大学校の学生たちがレストアしたS130となった。選ばれた理由や、学生たちの歓喜の声をお届けする。

学生なのに人助けでレストアするのが素晴らしい!

 まず選ばれた理由だ。宇野さんに聞いたところ「いろいろありますが、1番は学生という若さで、人助けのためにレストアする……その心意気が素晴らしい! と感じたところですね」とコメント。

 このクルマは岡山県の山本夫妻が長年所有していたもの……という旧車界ではよくある、所有歴が長いという話だが、学生たちがレストアに着手したのには理由がある。というのもこのクルマ、元のオーナーは、若くして不慮の事故で亡くなってしまった山本夫妻のご子息が愛用していたものだという。そのあとは形見として自宅ガレージで大切に保管していたのだが、2018年に起きた西日本豪雨で完全に水没してしまったというのだ。

 その後、夫妻は「廃車にするなら学生たちに教材として提供しよう……」となり、学校と連絡を取ったところ話はこのクルマをもとどおりに蘇らせる方向へ。これがこのプロジェクトの発端であった。その後は学生たちが放課後に作業をし、4年の歳月を経てようやく完成したという。人のために行動できる学生たちの心意気が、このたびのダンロップ賞へと繋がったともいえよう。

 凄い熱意なのはもちろんだが、学生たちが創意工夫を凝らして丁寧にレストアした点も見逃せない。パーツをただ交換するという単純な工程ではなく、内外装や機関系をバラして、使えるものはそのまま使うというレストアスタイルもトピック。機関系も手を入れており、エンジンの不調の原因を突き止めてオーバーホールし(バルブが曲がっていた)、内装も一度バラして洗浄するなど本格的。

 今後、旧車を見られる機会が減ってしまうと危惧されているが、日産自動車大学校のこの取り組みを見れば、旧車の未来も明るいと思わせてくれる。

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