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すぐ涼しくなるからって「内気循環」のまま……はじつは危険! エアコンの「外気導入」「内気循環」の正しい使い方

すぐ涼しくなるからって「内気循環」のまま……はじつは危険! エアコンの「外気導入」「内気循環」の正しい使い方

この記事をまとめると

■クライメートコントロールパネルには「外気導入」と「内気循環」のスイッチがある

■外気導入は外から空気を取り入れて車内を換気したいときに使う

■内気循環は車内の空気を循環させたいときに使う

「外気導入」と「内気循環」の効率的な使い方

 暑い季節になってくると、クルマに乗ったらまず押すのがエアコンのスイッチではないでしょうか。よく見るとそのスイッチの近くに、ふたつのアイコンが描かれたスイッチが配置されていると思います。ひとつは、クルマのカタチをした内部に外から風が入っていくようなイメージのアイコン。もうひとつは、クルマのカタチの内部を風がまわっているようなイメージのアイコンです。

 このふたつ、前者は「外気導入」後者は「内気循環」という名前が付いており、それぞれ別の働きをしてくれるので、上手に使うとエアコンを使用する車内がもっと快適になるのです。

 もし内気循環のスイッチしかない場合は、スイッチを押してランプが点灯していると内気循環、消灯しているときは外気導入となっていることが多いです。クルマの年式や車種によって異なる動作となることもありますので、取扱説明書などで確認してみましょう。

 まずはそれぞれの役割を簡単に整理しておくと、外気導入は外から空気を取り入れて車内を換気したいときに使います。内気循環は、外気を完全にシャットアウトするわけではないですが、ある程度抑えることができます。

 どんなときに使うと効果的なのかというと、外気導入は車内の温度を外気温に近づけることができるので、窓ガラスが曇ってしまったときに素早く曇りを取りやすくなります。冬の間や急にトンネルに入ったときなどに効果的です。ただし、雨の日など湿気が高いときの窓ガラスの曇りは、外気導入ではなかなか取れにくくなっており、エアコン全開+内気循環のほうが効果的です。

 一方で内気循環は、車内の空気を循環させたいときに使います。花粉や黄砂の季節だったり、畑の土埃が風で舞い上がっているようなとき、大型車の後ろを走る場合などに使うと効果的。また、車内の温度を急いで下げたい、上げたいときにも内気循環を使います。

 ただし、内気循環をずっと使い続けるのはリスクを伴います。内気循環と外気導入で車内のCO2濃度の上昇を計測したJAFによるテストでは、外気導入では1000ppm前後だったのに対し、内気循環では最大で6770ppmにも上昇しました。いくつかの研究報告によると、CO2濃度が3000ppmを越えると、疲労感の増加や注意力の低下、眠気や頭痛を引き起こす原因になるのだとか。さまざまなウイルスなどの感染予防のことも考え、安全運転と同乗者の健康のためにも、メインは外気導入を使いつつ、効果的なところで内気循環を使うことをおすすめします。

 ちなみに猛暑日など暑い日にもっとも早く車内の温度を下げる方法は、まず窓を全開にし、エアコンをLoに設定して外気導入で走行します。2分後に窓を閉め、エアコンを内気循環して3分間走行する方法だというテスト結果があります。

 ジメジメとした梅雨から真夏にかけて、とくに車内を快適に保つのが大変になりますが、外気導入と内気循環を賢く使い分けて、少しでも早く快適な環境にしてドライブしたいですね。

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