
この記事をまとめると
■フェラーリではデリバリーから20年経つとクラシケモデル扱いになる
■360モデルのビッグマイナーチェンジ版であるF430は今狙い目のモデルだ
■フェラーリにおいて最後の3ペダル設定モデルでもある
今狙い目のクラシケモデル「F430」とは
まずはフェラーリのクラシック部門である「クラシケ」による、クラシックモデルとは何かについての定義を紹介しよう。それは、デリバリーから20年以上を経ったという、じつにシンプルかつ明解なもの。
今年は2025年であるから、この定義によれば2005年以前にフェラーリから新車でデリバリーされたものがあたる。ちなみに2005年の時点でフェラーリが生産していたプロダクションモデルには、8気筒シリーズでは「F430」とそのオープンバージョンである「F430スパイダー」、また12気筒モデルには「575Mマラネロ」と4シーターGTの「612スカリエッティ」があった。
さらには599台の限定車として生産された575Mマラネロのオープンバージョン、「スーパーアメリカ」もまたフェラーリのファンには見逃せないところなのだが、今回はそのなかから、F430というモデルにもう1度注目してみたい。
現在の段階でもっとも新しいクラシックモデルとなるF430は、同時にこれからフェラーリというブランドの世界に飛び込むには、じつは最適なチョイスにほかならないのである。
F430はそれまでの「360モデナ」のビッグマイナーチェンジ版として2004年にデビューを飾ったモデルだ。エクステリアデザインのシルエットは、この360モデナのそれに共通するものだが、フェラーリはより優秀なエアロダイナミクスを追求するプロセスにおいて、F430に独自のさまざまなディテールを採用してきた。
たとえばその個性的なフロントマスクは、かつてフェラーリがサーキットへと投じたF1マシン、「156F1」のシャークノーズを彷彿とさせるもの。センター部にはコンパクトなエアインテークが備わっているが、これはボディの下面により高速かつ高圧なエアを取り込むことで、いわゆるグランドエフェクトカーとしての機能、つまりダウンフォースを効率的に得ることに大きく関連する造形である。